柳津まんじゅうツアー (その 3)

柳津まんじゅうツアー (その 1)柳津まんじゅうツアー (その 2) の続きです。
柳津は車でも行けなくはないのですが、探偵! ナイトスクープの番組中では鉄道で訪問していたことと、JR 只見線という車窓の景観がすばらしいことで有名な路線沿いにある町ということもあり、往復は鉄道を利用しました。
柳津のある会津地方へのアクセスとしては、JR 只見線の他に東武から、野岩鉄道 (やがんてつどう)、会津鉄道、JR 只見線を経由して会津若松へ至るルートにも以前から興味があり、そこも乗ってみることにしました。
このルートですが、東武が日光まで通じていることは関東在住であれば知っていると思います。日光の少し手前の今市市から分岐して鬼怒川温泉へ続く路線がある事も、それなりに知られていると思います。しかしその先があることはあまり知られていないような気がします。
地図で見ると東武は鬼怒川温泉の 2 駅先の新藤原が終着ですが、線路はそのまま鬼怒川、男鹿川の渓谷沿いを北に伸びているのがわかります。これが野岩鉄道で、さらに会津鉄道に続き、途中 JR 只見線に合流し、線路としては会津若松まで続いているのです。大学を卒業して関東へ出てきたばかりの頃なので、ものすごい昔の話ですが、地図でこの路線を見つけた時は「よくこんな山の中を線路が続いているなぁ」と感激して、いつか乗りに行こうと思ったものです。で、17 年も経過して、ようやく実際に乗れるチャンスがやってきました。
往復の計画は、JR 只見線は全線を走り通す列車が 1 日に 3 往復しかないので、それにどのように乗って、目的地である柳津での滞在時間を確保するかという普通とはちょっと違う感じで計画を立てなければいけませんでした。その結果、往路は東武→野岩鉄道→会津鉄道で、復路は JR 只見線で、上越線まわりで帰ってくることにしました。
往路は最近新宿発着の列車が出来たスペーシア日光という列車を検討していました。連絡時間も調べて問題ないということで JTB に切符を買いに行ったら、なんと 3 月のダイヤ改正で日光の時間が遅い時間に変更になっていて、乗ろうと思っていた野岩鉄道の列車に間に合いません。途方にくれていると、JTB の人が、浅草発の「スペーシアきぬ」なら変更後の時刻でも連絡している事を見つけてくれました。しかし私の住む相模原からだと浅草へ朝の早い時間に行くのはけっこう大変です。むむ、どうしようと「きぬ」の時刻表を見ていたら、途中停車駅に北千住があるのを発見。北千住なら小田急から千代田線乗り入れで直通で行ける、と思って JTB の人に「きぬ」には北千住から乗ることにしますと言いました。すると JTB の人が「それならロマンスカーが使えますよ」とナイスなアドバイスをくれました。上記の日光の時間が変わってしまったのと同じ 3 月のタイミングで小田急のダイヤ改正もあり、その時デビューした日本初の地下鉄を走る有料座席指定特急であるロマンスカー MSE のうち、メトロさがみ 80 号が、「きぬ」が北千住を発車する時間 08:10 の、9 分前、08:01 に北千住に到着するのです。
ということで、往路は、町田からロマンスカー MSE で北千住、北千住からスペーシアで鬼怒川温泉、その先は東武、野岩鉄道、会津鉄道、JR 只見線を直通する快速 AIZU マウントエクスプレスで行くこととなりました。
まずは小田急町田駅から、デビューして 1 週間しかたってないロマンスカー MSE に乗ります。

MSE のロゴ前で記念撮影
MSE のロゴ前で記念撮影

朝ごはんは、町田駅構内にあるパン屋さんで買いました。

町田駅のパン屋さんで買ったサンドイッチ
町田駅のパン屋さんで買ったサンドイッチ

MSE は新車なのでやはり車内設備が現代的です。トイレなどがある部分は、通路が曲線になっていて、トイレのスペースは、車椅子でも使える広さが確保されています。

 MSE 通路
MSE 通路
MSE 多目的トイレ内部
MSE 多目的トイレ内部

北千住からは東武の看板列車であるスペーシアに乗車します。
東武の特急車両と言えば、私が子供で、もっと濃い「鉄」であった頃の 1720 系「デラックス・ロマンスカー」の時代に、鉄道関係の雑誌などで最も評価の高い特急車両であり、今回乗る 100 系「スペーシア」も、1991 年にスーパービュー踊り子に使われている JR の 251 系電車とトップを争ってブルーリボン賞を受賞しています。なのでとても期待していました。

スペーシア車両
スペーシア車両

しかし… 乗ってみて正直言ってがっかりです。外見のモダンさからは想像できないぐらい内装は古さが目立ちます。シートピッチが広かったり、背もたれに若干工夫があったりはしますが、つい先ほど乗った小田急ロマンスカーと比べてももちろん、同じ年にデビューしているはずの JR 251 系電車と比べても設計思想に古さが感じられます。また乗った車両は禁煙だったのですが、かつて喫煙車両であったと思われ、内装にヤニの汚れが残っていましたし、シートのタバコの臭いも落ち切ってはいませんでした。
鬼怒川温泉からは、AIZU マウントエクスプレスに乗車です。この列車は乗車券以外の特別料金が不要の快速列車なのですが、使われている車両は実は名鉄が特急用に作った気動車で、「鉄」にとっては「豪華な列車」に属します。
以前「鉄」ではない友人とムーンライトながらに乗った時、事前に「豪華な列車だよ」と言っておいたら、当日
「全然豪華じゃない。普通の電車やん」と言われた記憶があります。しかしこの日の妻は、この AIZU マウントエクスプレスに乗ると「豪華な列車だね」と言ってました。この豪華さが理解できるとはなかなか、と、ちょっ
と嬉しかったです。

AIZU マウントエクスプレス
AIZU マウントエクスプレス

AIZU マウントエクスプレスは鬼怒川、男鹿川と渓谷沿いを走ります。トンネルを抜けて会津に入ってからも荒海川、阿賀川沿いとしばらくはやはり渓谷沿いで、車窓はなかなか綺麗です。途中標高の高い区間では、何と雪が降っていました。

雪景色
雪景色

このように、3 本の列車を乗り継いで会津若松に到着しました。
実は柳津へ行くには西若松で JR 只見線の小出方面へ乗り継げばよいのですが、1 時間半ほどの乗継待ちになるので、駅のまわりに何もなさそうな西若松ではなく、会津若松まで乗ることにしました。
会津若松駅では、会津鉄道の普通列車の車両も見かけました。会津は野口英世の出身地であるためか、1000 円札発行記念と書かれ、野口英世と母シカの肖像が塗装された車両がいました。地方の鉄道にしては、かなりいい感じの塗装なのではないかと思います。

新 1000 YEN 札発行記念塗装 (野口英世と英世の母シカの塗装) 列車
新 1000 YEN 札発行記念塗装 (野口英世と英世の母シカの塗装) 列車

会津若松では、583 系電車も見かけました。予期していなかったのでうれしかったです。普通車改造されていなくて、座席のコンフィギュレーションの状態の 583 系電車を見たのはこれが初めてです。快速あいづライナーに使用されていたようです。

583 系電車あいづライナー
583 系電車あいづライナー

駅には赤ベコの張りぼてがありました。イカしてます。

赤ベコの張りぼて。かわいいです。
赤ベコの張りぼて。かわいいです。

赤ベコは会津地方のイメージキャラクターのような存在らしく、あちこちでその姿を見かけました。

改札口にも赤ベコ
改札口にも赤ベコ

お昼をどうするか検討するため駅を出ると、顔ハメ発見! もちろん写真を撮りました。

会津若松駅前の顔ハメ
会津若松駅前の顔ハメ

せっかくなので郷土料理をと思ったのですが、駅前は意外に何もありません。駅舎内に郷土料理をうたったレストランが入っていましたが、あまりひかれるメニューがありません。さらに、列車の乗り継ぎまでは時間はあるものの、駅周辺を食堂を探して散策するほどの時間はなかったので、駅弁を買って駅のベンチで食べることにしました。

会津若松駅のベンチで弁当を食べる
会津若松駅のベンチで弁当を食べる

買ったのは、私も妻も同じ弁当で、伯養軒「会津のおばあちゃん」弁当です。その名の通り、野菜の煮物やてんぷらなど、素朴な感じの弁当でした。

伯養軒「会津のおばあちゃん」弁当
伯養軒「会津のおばあちゃん」弁当

1:11 の待合せで JR 只見線に乗車です。会津若松から会津柳津までは 1:05 かかり、14:13 に到着しました。

柳津へ到着した只見線列車
柳津へ到着した只見線列車

会津柳津駅は無人駅ですが、駅番をするおばあちゃんが居てストーブで駅舎内を暖めていてくれます。写真に写っているのはそのおばあちゃんです。柳津の町について少し聞いたのですが、とても親切に教えてくれました。

会津柳津駅舎内
会津柳津駅舎内

歴史を感じさせる、いい駅舎です。鉄道開通時の、地元の人々の期待の高さが感じられます。
駅舎には当然発車時刻表が掲示されているのですが、この写真がそれです。都心の発車時刻表しか見たことがない人がみたらびっくりするようなもので、往復合わせても 12 本の列車の時刻しか書かれていません。基本的に 2 分 30 秒毎に列車が走る山手線なら、15 分間分の時刻表に過ぎないことになりますが、ここでは、これが丸々 1 日分なのです。

会津柳津駅の発車時刻表
会津柳津駅の発車時刻表

駅前には C-11 と、腕木式信号機が展示されています。
SL の展示は雨ざらしで、非常にもったいないと感じるところが多いのですが、ここの C-11 には、覆屋根がありました。保存状態は中の上といった感じでした。

会津柳津駅前の C-11 244 と記念撮影
会津柳津駅前の C-11 244 と記念撮影

分割して 1 つ 1 つは短く、と思っていたのですが、思わず長文になってしまいました…
柳津まんじゅうツアー (その 4) は、柳津随一の観光ポイント、虚空蔵尊圓蔵寺を取り上げる予定です。

「柳津まんじゅうツアー (その 3)」への2件のフィードバック

  1. 風邪引いてるの? 探偵内とスクープ大好きやわ。 弱気な言葉 のブログパーツちょっと重いな~

  2. > こんさん
    マスクは花粉症の症状がまだ続いていたからです。
    ブログパーツはクライアント PC で実行されるの
    で、見る人によっては重いでしょうね。私の PC
    も 5 年ぐらい前のマシンなのでちょっと重く感
    じます。流行がすたれたら外しますかね…

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