例年 MotoGP 日本 GP を見に行っていたのですが、今年
は Australia にいるため見に行けません。しかしちょ
うど Australia GP の時期にこちらにいることになるの
で、見に行ってきました。
2006/09/16(土) のうちに Sydney から Melbourne へ飛
行機で移動します。空港からはバスで Downtown
Melbourne へ。バスは Southern Cross Station という
駅に併設された Bus Station に到着します。
この Southern Cross Station という駅は今年 2006 年
に改築が終わったばかりらしく、非常にモダンな駅舎で
す。改装前は Spencer Street Station という名前だっ
たようですが、駅名も変更になっているようです。ガイ
ドブックに載っている名前は古い駅名でした。
ちなみに Downtown Melbourne には大きな駅が 2 つあ
り、もう一つは Flinders Street Station という駅で
す。2 つの駅はそれほどはなれていません。どちらかと
いうと Southern Cross Station の方が中心駅としての
役割をもっているようですが、駅舎は Flinders Street
Station の方が昔の建物を残していてずっと見応えがあ
ります。
早起きしたくなかったので Sydney を遅く出る飛行機に
したので、Downtown に到着したのは 17:00 を過ぎてい
たので、すぐにホテルへ向かいます。駅を出て、ホテル
までは路面電車もあるのですが、乗り方がよくわから
ず、それほど遠くないので徒歩で向かいました。
Southern Cross 駅を出るとすぐに謎の煙突が見えます。
WHY LOG OUR WATER? と聞かれてもわかりません。この
煙突は何を訴えているのでしょうか?
おのぼりさんよろしく、いろいろ写真をとったりきょろ
きょろしつつ、ホテルに到着しました。今回のホテルは
前日 2006/09/15(金) の夜に Travelocity で予約しま
した。価格優先で選んだのですが、VICTORIA Hotel と
いう、なにやら仰々しい名前のホテルです。
仰々しいのは名前だけでなく、実際歴史のあるホテルで
あることがわかりました。しかし内装もかなり歴史があ
り、あまり快適そうとは言えないところです。客室に
シャワーブースとトイレはありますが、後年付けたもの
らしく、部屋のレイアウトに無理があります。また、廊
下にもトイレがありました。それぞれの部屋にトイレを
付けるようになる前の時代の建物であるようです。
それでも部屋には壁埋め込みの、いかにも後付式ながら
エアコンもついているし、インターネットアクセスもあ
ります。しかしインターネットアクセスは故障のため使
えませんでした。
チェックイン後、食事をしに街を歩きます。Sydney に
もそこそこ大きなチャイナタウンがありますが、ここ
Melbourne にもチャイナタウンがありました。
それなりの街ならどこに行ってもあるような気がする
チャイナタウンは避けたいと思い、さらにうろうろしま
す。で、Flinders Street Station の目の前で “LOAD
OF THE FRIES” という店を見つけました。”The Best
Fries You’ll Ever Try” と謳っているので、これを食
べてみることにしました。フライと、ハンバーガー、
コーラのセットです。値段は正確には覚えてませんが、
AU$12.00- ぐらいだったと思います。少し高いですね。
フライの味は “The Best Fries You’ll Ever Try” と
謳っているだけあって、なかなかおいしいものでした。
ハンバーガーは普通です。(ちなみに朝昼は食べてませ
ん)
翌 2006/09/17(日)、なぜかサーキットへ行くバスが早
朝 6:00 出発の便のみという理解できない設定になって
いるので、それに合わせて 5:30 に起きて出発します。
パスに乗って約 1 時間 30 分、Phillip Island
Circuit に到着です。バスに乗っている途中から霧が出
だして、サーキットに着いた時にはかなり霧が深くなっ
ていました。
バスはサーキットの裏にある GATE 3 に着くため、ぐ
るっとまわって、観戦するつもりだった Turn 1 近くの
エリアへ移動しました。途中でオーストラリアのライ
ダーを応援していると思われるカンガルーフラッグをか
かげたいかした人々がいました。
ガイドブックを買ったので見ていると、こんな説明があ
りました。
イベント中はレースコースに入るな、という、まぁ、し
ごく当然の NOTICE なのですが「イベント中」とはいつ
終わるかというと「コースカーが緑のライトを点滅さ
せ、サイレンを鳴らして走る」までだと明記してます。
逆に言うと、そのコースカーが走っていったら、後は勝
手にレースコースへ入ってよい、ということです。
このサーキットは鈴鹿とかもてぎを見慣れた目には、信
じられないぐらいコースと観客の距離が近くて、その間
にフェンスなどがほとんど何もないこともあって、レー
ス後観客が侵入するのは仕方ないという考えのようで
す。
サーキットは海沿いにあり、非常に景色がきれいなサー
キットとして知られています。サーキットを背景にバカ
写真 (日の丸構図の記念写真) を撮ってきました。写真
が少し小さいですが、背景に海が見えるのがわかるで
しょうか? この日は最初は霧で Turn 1 から海は見えま
せんでしたが、125cc や 250cc の決勝の時間帯は、海
がきれいに見えていました。
ホームストレート裏手のあたりに行くと、GP サーキッ
トらしい感じが少しだけします。リコール騒ぎに揺れる
「未来の乗り物」セグウェイがミシュランタイヤのキャ
ンペーンガールの移動用の乗り物となって走り回ってい
ました。この乗り物は自転車より優れた点がなにもない
ので、この後も哀れな末路をたどるでしょう。こうやっ
てキャンペーン用に飾りつけされた姿を見ると、非常に
場末感があります。
販売ブースや、メーカーブースのコーナーもあります。
どちらも仮設テントでした。そういえば、このサーキッ
トには、パーマネントな建築物はピットの建物ぐらいし
かないようで、グランドスタンドやホスピタリティー
ブース、VIP クラブなどもすべて仮設でした。MotoGP
以外のレースもしていると思うのですが、他のシーズン
は鈴鹿の F1 スタンドのように撤去してしまうのでしょ
うか?
本題に戻って、メーカーブースで特に目を引くものは、
これだけでした。DUCATI D16RR の展示です。後ろから
見るとナンバープレートやウインカーなどの保安部品が
付いている以外は、そのまま MotoGP マシンといった風
情です。こんなので公道走ったら、免許がいくつあって
も足りません。いったいどこで乗れっていうのでしょう
か?
Honda のブースでは、コニカ・ミノルタのお姉さん達が
愛想を振りまいていました。
お昼はまたまたハンバーガーです。このサーキットで
買ったハンバーガーは、予想外にかなりおいしかったで
す。
午前中はウオーミングアップランです。霧のためスケ
ジュールがめちゃくちゃだったのと、あちこちうろつい
ていたりして 125cc と 250cc のウオーミングアップラ
ンはほとんど見れませんでした。MotoGP は観戦場所に
戻ってハンバーガーを食べている頃にスタートしたの
で、見ることができました。
写真はウオームアップランセッションでの中野真矢選手
です。
次の写真は DUCATI の MotoGP マシンに 2 人乗りで体
験できるというプログラムをやっているところです。3
人ほどの、おそらくオーストラリアではそこそこ有名と
思われる人が体験して、その後インタビューで「エキサ
イティングだった」とかなんとか答えていました。走っ
ているのを見るとライダーに抱きついた姿がちょっと情
けないのと、直前のウオームアップランよりは、見てい
てはっきりわかるほど遅いので、コメントを聞くと
ちょっとしらけてしまいます。でも実際乗るとすごく速
く感じるんでしょうね…
サポートレースが 1 つあって、その後 MotoGP 125cc
クラスが始まりました。一時は多数の日本人ライダーが
参戦して好成績を残していたクラスですが、今年のフル
参戦は 1 人だけという現状は残念です。その唯一参戦
している小山選手も苦戦していました。
つづいて MotoGP 250cc クラスです。このクラスは青山
博一選手、高橋裕紀選手、青山周平選手、そして私がス
ポンサードする関口太郎選手と 4 名の日本人ライダー
が参戦しています。
関口選手は怪我から復帰して間もないため、まだまだ本
調子ではないようです。絶対的な走行距離が足りなくて
セッティングが出せていないらしく、予選でも速く走る
ことよりセッティングを出すための周回をせざるを得な
いらしく、残念ながらただ一人 1 分 38 秒台で最下位
でした。
レースでは周回ごとに順位が入れ替わる激しい最下位争
いを演じていましたが、最終的には最下位を逃れまし
た。現状を考えれば上出来のレースだったのではないか
と思います。写真は最下位で 1 人前のレーサーを追う
関口選手です。
このレースでは日本人ライダー青山博一選手が健闘して
序盤はトップグループの 4 台に入りトップ争いをしま
した。途中でトップ争い 2 台、3 位争い 2 台にばらけ
てしまいましたが、競り合って 3 位を確保しました。
写真は 3 位争いをする青山博一選手です。
250cc クラスの決勝が終わってから MotoGP クラスの決
勝までは 1 時間ほど間があります。空撮のヘリコプ
ターに給油する都合なのではないかと思いますが、この
待ち時間は、結果として重大な意味を持ちました。その
間にいくつかのイベントがありますが、一番観客の目を
引いたのは、やはり空軍の F/A-18 によるデモフライト
でした。
私はレース後バス乗り場へすぐに行かなければならない
ので、乗り場のある出口 GATE 3 に近い Turn 10 へ移
動しました。移動の途中でウオームアップラップが始ま
りました。次の写真は最初のウオームアップラップの中
野真矢選手です。
ちょうど上の写真を撮っているぐらいの時に、小雨が
降ってきました。ウエットレースが宣言されたのか、私
が Turn 10 に到着したぐらいで、ウオームアップラッ
プが再度行われました。おそらく選手には車両やタイヤ
を交換する機会が与えられたものと思います。
そして決勝スタート。私が見ていた Turn 10 の目の前
にモニターがありスタートの様子が見えますが、2 番グ
リッドにいた 56 番中野選手がすばらしいスタートを
切ってポールショットを奪うのが見えました。Turn 10
に来たときにはすでに他車をかなりリードしていまし
た。
しかしここから雨が強くなり、各車次々とピットインし
て、レインタイヤをつけたオートバイに乗り換えて行き
ます。(見てて思ったのですが、レース中にタイヤを交
換するのではなく、オートバイ自体を乗り換えるのって
OK なルールなんでしたっけ?) 中野選手は他の主要選手
より 1 周遅れで乗り換えますが、スリックタイヤで雨
の中を走ったために遅れがあったのか、それまで築いた
リードを守れず、ピットを出る時点で 2 位になってし
まいました。さらに残念なことにレインのセッティング
ができていないのか、ずるずる順位を下げてしまいま
す。最終的には 8 位でゴールしました。しかし序盤に
見せたパフォーマンスは、次のもてぎに期待を抱かせる
すばらしいレースでした。
決勝終了後、ガイドブックに書いてあるように、観客が
ワラワラとコースに入っていきます。私も二度と来れな
いであろうこの Phillip Island Circuit に来た記念に
と、コース上でバカ写真 (日の丸構図の記念写真) を
撮ってきました。
往路のバスは 6:00 に Downtown 出発で早すぎるのです
が、復路も早すぎます。MotoGP のレース開始予定が
15:00 で、レースはウオーミングアップラップを入れれ
ば 45 分 ~ 50 分程度はかかるので、レース終了時間
は 15:50 ぐらいです。サーキットは 1 周 4 km 強です
が、歩いて帰るための外周道路はもっと長いはずなの
で、バスの発車する GATE 3 から一番遠いあたりにいる
人が GATE 3 に行くには 30 分程度必要なはずです。な
のにバスの最終便発車時刻は 16:00 だというのです。
私は MotoGP も Turn 1 あたりで見たかったのに、この
事情のためかなわず Turn 10 へ事前に移動する羽目に
なりました。今回は残念ならがそうなりませんでした
が、もしあのまま中野選手が優勝していても、帰宅のた
めにセレモニーを見ることはできなかったのです。この
バス会社は、もう少しレースのスケジュールに即したダ
イヤを設定するべきだと思いました。
バスに文句をいいつつも、レース終了後は帰宅します。
オートバイや車で来ている人が多いので大渋滞するかと
思いきや、サーキットからかなり先の区間まで両側通行
の道を一方通行にしていたり、さらに先の区間では本来
それぞれの方向 1 車線ずつ、合計 2 車線の道を、本来
の白線以外に、青い線を引いて 3 車線にして、Phillip
Island から帰る方向を 2 車線にしたりといった工夫が
あって、一部の街中を通る部分以外はあまり渋滞しませ
んでした。それでも行きよりかなり時間がかかり 2 時
間 30 分ほどかかって Downtown Melbourne へ帰着しま
した。
Phillip Island から帰る沿道では、道端に道の方向を
向いて待っている人々がたくさんいます。テーブルや椅
子を出して長期戦の構えの人も少なくありません。見て
いると、帰っていく多数の車の列に手を振っていまし
た。これはサーキットのすぐ近くだけでなくて、サー
キットから 1 時間ぐらい走ったところでも見られまし
た。心和む風景ですが、非常に不思議な習慣です。
写真はバスの前方窓越しに撮っているので少し見難いで
すが、道の向かって右側の道端に地元の家族らしき人々
がいて手を振っているのと、写真の左端のライダーが右
手をあげて、応えているのがわかるでしょうか。
なかなかタフな週末でした。