2007/07/21(土) 宇宙科学研究本部一般公開

今日 2007/07/21(土) は、私の住む相模原市にある、宇宙航空研究開発機構の宇宙科学研究本部 (ISAS) の年に 1 回の一般公開があり、見に行ってきました。
入口で公開行事の案内などが入った薄手のトートバッグをもらい、中に進んで行きます。最初に屋外のテントの売店がありました。宇宙食というノボリに妻が引き寄せられて行きました。
宇宙食販売中
宇宙食販売中
この写真では小さくてわかりにくいですが、右が宇宙食ストロベリーケーキ、左の黄色いパッケージは宇宙食たこやきです。
さて最初の建物に入ると、小惑星イトカワへの着陸に成功した日本の探査衛星はやぶさの実物大模型がありました。満身創痍のはやぶさは、イトカワで採取した可能性のある岩石の小片を持ち帰るため、地球へ向けた厳しい旅を続けています。
はやぶさ実物大模型
はやぶさ実物大模型
フロアにおいてあるはやぶさの模型は人間に比べれば大きいのですが、宇宙探査衛星としては例外的な小ささで、アメリカやロシアとは異なる「日本流ケチケチ宇宙探査」の偉大な成果なのです。
はやぶさがイトカワに打ち込んだマーカーには、一般公募された名前がマイクロ文字で書き込まれいます。そのレプリカが置いてありました。
はやぶさマーカーのマイクロ文字名前一覧レプリカ
はやぶさマーカーのマイクロ文字名前一覧レプリカ
個々の名前は、肉眼では全く文字に見えません… しかし横にパソコンが置いてあり、応募した人は名前を入力すると、どのブロックに名前が書いてあるかはわかるようになっています。私も応募した記憶があるので入力してみましたが、見つかりませんでした。応募した時に名前の入力を間違えてたのでしょうか… ちょっと悲しかったです。
そのかたわらには、月探査衛星セレーヌに搭載される同じマイクロ文字のプレートのレプリカが展示されていました。こちらももちろん文字は全く見えません。こちらには私の名前と、妻の名前を連名で応募したので、両方の名前が載っているはずです。こちらは検索パソコンがなくて調べることはできませんでした。
セレーヌのマイクロ文字名前一覧レプリカ
セレーヌのマイクロ文字名前一覧レプリカ
2 階では液体窒素実験をやっていまいた。液体窒素を入れた缶の表面が濡れて見えるのですが、これは水ではありません。水は凍ってしまうからです。実はこれは、冷やされた空気から酸素が液体になっているものなのだそうです。火のついた線香をその濡れた部分に押し当てると、ポッと明るくなるという実験をやってくれました。ちょっと不思議な感じです。そして液体窒素実験のお約束である超伝導実験もやってくれました。
超伝導実験
超伝導実験
写真ではわかりにくいかも知れませんが、下の黒い部分は鉄で、液体窒素に浸かって冷却され、超伝導状態になっています。その上の小さな灰色の楕円に見えるものが磁石で、ちょっと斜めになった状態で宙に浮いています。肉眼では宙に浮いていることがよくわかるのですが、写真だと乗っかってるようにしか見えませんね… テレビでは良く見る実験ですが、やはり実際に目の当たりにすると、その不思議さとか、本当に浮いてるんだなぁとか、強い印象を持ちました。
他の部屋では X 線天文衛星の展示がありました。X 線はレンズでは曲がらないので、鏡で曲げてレンズを作るという説明のデモ装置です。
X 線レンズのデモ装置
X 線レンズのデモ装置
この鏡によるレンズを、同心円状に何枚も組合せて、全体として口径の広いレンズとして使うということのようです。ものすごく精密な工作が必要となりそうです。
別の建物では、月面や火星探査などに使うためのローバーの展示をしていました。地球からのリモート指示で動作させるのですが、電波でも月や火星までの往復には時間がかかるので、自律判断走行が可能でなければ行けません。カメラなどを使って状況を把握し、障害物をよけたり、砂地を走ることによる方向のズレなどを自分で修正しながら動くローバーが実際に動く様子を見ることができました。
ローバーの展示
ローバーの展示
廊下を歩いていると、階段の近くに大きなバケツのようなものがあって、こんな貼り紙がしてありました。
バケツの貼り紙
バケツの貼り紙
月の砂、取り扱い注意って… とても大事そうなものに思えるのですが、こんな一般の人が出入りする日に、通路に置いといていいものなのでしょうか?
そして最後に人工オーロラを見に行きました。
人工オーロラ
人工オーロラ
写真中央下半分に見える黒い球が地球で、その上にわずかに光っている部分が人工オーロラです。肉眼で見るとそれなりに光って見えるのですが、カメラで写しても全然なんのことやらわからない感じですね…
まだ見ていない展示館が 2 つありましたが、ここで公開終了時間の 16:30 になってしまい時間切れです。
展示の中には子供向けのものもたくさんあるのですが、パネルなどの説明は難しくてわからないようなものもあり、日本の最高レベルの「知」の一部を垣間見ることができる貴重な機会でした。展示物もレプリカも多いのですが、はやぶさに搭載されたマイクロ波放電型イオンエンジンμの同型エンジンが真空チャンバー内で耐久試験をしている様子や、人工オーロラに使われているスペースサイエンスチャンバーなどは、装置自体が「本物」なわけです。
今回は妻も一緒に行ってくれてうれしかったのですが、あまり興味のない行事で、厳しい時間だったようです。
私としては一緒に行って説明などを見ているうちに興味をもつようになって、一緒に楽しみたいなぁと思っているのですが、なかなかそうは行かないようです。
こういうイベントには一人で行くか、このような内容に興味を持っている友人と行った方が幸せなのかも知れません。全ての展示を見切れなかったので、来年も来たいなぁとは思いましたが、来年は 1 人で来ることになりそうです。悲しいなぁ…
ほんと悲しいなぁ…

「2007/07/21(土) 宇宙科学研究本部一般公開」への5件のフィードバック

  1. 宇宙食は買ったんですか?
    お味の方は?(^^;
    たこやきが気になって気になって(笑)

  2. あー、そんなことやってたんですか。
    懐かしいなぁ。
    月の砂は人工レゴリスですよ。NASDAだったかJAXAだったかで見た記憶。

  3. 私は宇宙食のアイスクリームというやつを食べた事があります。冷たくないので、厳密に言えばアイスクリーム味のお菓子でしょうか。ちなみに、大学生の時は、スクラムジェットのリサーチなどにもかかわっていました。大学で機械工学を専攻したのも、宇宙工学のエンジニアになるためだったんですよね。結局コンピューターの方が面白くてITの方に進んでしまいましたが…

  4. > K-max さん
    宇宙食は買ってません。ちょっとお高いので…
    > ちゃがまさん
    ローバーを走る場所を作る砂ってことですね。
    > にいなさん
    宇宙工学ですか… らしいと言えばらしいです。
    > すぎさまさま
    某おばちゃんって、講師をしてた方ですか?
    あるいは、元飛行士の方? わかりません。

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