横須賀美術館映画「赤い風船」野外上映イベント

# 2010/08/29(日) の話の続きです。
横須賀にある築地 銀平鮨へ行った日、主目的はお寿司を食べることではなく、横須賀美術館で行われた映画の屋外上映イベントを見に行くことでした。
横須賀美術館は海の見えるとてもいいロケーションにある美術館です。2007 年にできたばかりの美術館でとても綺麗で、レイアウトなども現代的です。建物の前には広い芝生の庭があり、そこに仮設のスクリーンを立てて映画が上映されます。
到着したのはまだ明るい時間だったので、美術館を見学しました。建物内の各所にある案内表示が、美術館らしくておしゃれです。
トイレの案内表示
トイレの案内表示
階段の案内表示
階段の案内表示
展示は、企画展、常設展のどちらももうひとつな感じでした。展示の中には作品が楽器のようになっているものがあったのですが、それらの一連の作品のうちの 1 つだけは屋外に設置されています。屋外に設置されたものも含めて、それらの作品の近くにはバチが用意されていて、実際に演奏して楽しむことができるようになっています。
屋外に設定された楽器になっている作品で遊ぶ奥村
屋外に設定された楽器になっている作品で遊ぶ奥村
この美術館は展示室の撮影は許可されています。国立博物館などと同じ方向性でそのこと自体は素晴らしいことだと思うのですが、なぜか、作品の撮影は許可されていません。これはちょっと意味がわかりません。展示室内で作品を撮影しないように写真を撮るのはとても困難で、どうしても写ってしまうと思うのですが… 撮られると困るような作品があるということは、作品の物理的な保護という意味ではわかるのですが、この美術館で展示されていた作品にはそういったものはありませんでした。権利的な意味でも、目録にあるようなスタジオで撮影したり、人払いをして撮影したりしたものに、素人がさまざまな悪条件下で撮った写真がかなうはずがなくて、撮影を禁止する意味はよくわかりません。絵画は近接撮影されると素人でもコピーに近いものが撮れてしまう問題があるということはまだ理解できますが、立体作品や、「自由にさわって演奏してください」とされている作品も区別されることなく撮影禁止です。逆に、展示室外の作品が撮影禁止でないのは何故なのでしょう…
芝生広場には、V 字谷のような地形になったところに鉄板を敷き詰めたようになっている部分があります。何を表現しているのかわたしにはよくわかりませんでしたが、これ自体も「ヴァリーズ」という名前の美術作品であるようです。
ヴァリーズ (鉄板敷き詰め V 字谷)
ヴァリーズ (鉄板敷き詰め V 字谷)
こちらも芝生広場にあるハエのオブジェです。
ハエのオブジェ
ハエのオブジェ
展示を見終えてから、屋上に行ってみました。屋上へ出るエレベーターを降りたエレベーターホールには双眼鏡と、もう一つなぞの機械が設置されていました。何かと思って除いてみると、万華鏡でした。窓の外、海の方向をのぞくような感じで設置されていたので、外の景色と関連するようなものかと思ったのですが、普通の万華鏡です。
万華鏡
万華鏡
この美術館の屋上は恋人の聖地の 1 つに選定されています。そのプレートがありました。
恋人の聖地のプレート
恋人の聖地のプレート
美術館は傾斜地に建っていて、屋上はそのまま奥の方の地面につながっていて、その部分は芝生の広場になっています。
屋上から続く芝生広場
屋上から続く芝生広場
逆に海側を見ると、美術館の屋根の上にあるガラスのパッチワークのようなオブジェ越しに海が見えます。このガラスのパッチワークは、横須賀美術館の web site の写真などを見ると、美術館の建物の屋根のように見えますが、実際には屋根から 2、3m 高い位置に設置されていて、屋根ではありません。
美術館屋上からの海の眺め
美術館屋上からの海の眺め
さらにそのまま三軒家園地という公園へ続く遊歩道につながっています。時間があったのでその遊歩道も歩いて三軒家園地へも行ってみました。三軒家園地にはカッパのオブジェがあったので、仲良く記念撮影してきました。
カッパと握手する奥村
カッパと握手する奥村
カッパの姿勢を真似する妻
カッパの姿勢を真似する妻
三軒家園地は横須賀美術館より少し標高が高いので、海の眺めがいいです。ただ、園地と海の間に木々が茂りすぎていて見通しがいまいちでした。
三軒家園地からの海の眺め
三軒家園地からの海の眺め
この日は野外上映イベントのためだと思いますが、野菜ソムリエのスープ屋さん・くるみ kurumiハイジピッツェリア heidi pizzeria という、簡単な食べ物を売る屋台が 2 台出ていました。
野菜ソムリエのスープ屋さん・くるみ kurumi
野菜ソムリエのスープ屋さん・くるみ kurumi
ハイジピッツェリア heidi pizzeria
ハイジピッツェリア heidi pizzeria
映画まではまだまだ時間があります。屋台で食べてもよかったのですが、映画の時間までとっておこうと思ったことと、お寿司がまだお腹に残っている感じだったので、美術館併設のレストラン、アクアマーレのテラス席で、お茶を飲むことにしました。
アクアマーレのテラス席でお茶 (とケーキ…)
アクアマーレのテラス席でお茶 (とケーキ...)
気候もよくケーキもおいしくてよい気分です。お茶を飲みながらかなりのんびりしたのですが、それでもまだ日没になりません。
さらに時間が余っていたので、美術館の近くを散歩してみました。
横須賀美術館のすぐ前は海です。観音崎ボードウォークという遊歩道があるので歩いてみました。
観音崎ボードウォーク
201010CIMG6358
横須賀美術館にあった地図で近くに走水神社という神社があるのを見つけていたので、ボードウォークの先をさらに進んで行ってみました。階段がけっこう急角度できつかったです。神社には不釣合いなほど現代的なデフォルメされたかわいいカッパの置物がお社に置かれていたのにびっくりしました。ここに祭られている二柱の神様のうちの一柱が水神様であるので、カッパが神社や、この地域全体のマスコット的な役割を果たしているようです。三軒家園地にカッパのオブジェがあったのもそういうわけなのでしょう。
走水神社
走水神社
神社から横須賀美術館へ戻ると、芝生広場に設置されたスクリーンの前に、人々が集まりはじめていました。
芝生広場のスクリーン前に集まる人々
芝生広場のスクリーン前に集まる人々
我々も持ってきたレジャーシートを広げて映画が始まるまでしばしくつろぎます。空が青空から夕焼け、そして暗い青から、さらに暗闇へ、刻々と変わっていく様がとても綺麗でした。
夕焼け空
夕焼け空
夕焼け空
空に残るうっすらとした明かりがほとんどなくなり、一番星から三番星ぐらいまで見つけた頃、イベントがスタートしました。主催者や美術館による説明があった後、映画の上映です。
映画「赤い風船」上映中
映画「赤い風船」上映中
この先、映画「赤い風船」のネタバレとなる内容があるので注意してください。
マニアックな作品でネタバレになってもあまり問題ないと思うので書いてしまいますが、映画のタイトル通り、赤い風船が生き物のように少年との時間を過ごす様子を描いた、ちょっと SF チックな映画です。終盤で赤い風船がしぼんでいくとき、無機質であるはずの赤い風船に対して感情移入していたのか、とても悲しいと感じました。さらにその後、最後のシーンでは多くの風船と一緒に少年が飛んでいきます。これはおそらくハッピーエンドを表現しているのだと思いますが、私はとても不安になりました。
私は子どもの頃から、体一つで空を飛ぶ夢をよく見ます。その夢では、飛び上がってしまうと自分の意思では降りられなくなります。その時、高所恐怖症的な意味での怖さはないのですが、とても悲しいような不安なような気持ちになります。映画の最後のシーンで不安になったのは、その夢の事を思い出してしまったからです。
この日は屋外イベントにはちょうどよい気温で、雨にも降られませんでしたし、お昼のお寿司から、楽しく過ごせた 1 日でした。

「横須賀美術館映画「赤い風船」野外上映イベント」への5件のフィードバック

  1. 赤い風船が移民の差別された子供の解放の隠喩なんだっけか?
    白い馬もいい映画ですよ。

  2. 一昨年ぐらいにリマスターリバイバル上映してるっちゅうねん。有名です、超メジャーな作品です。ただ、権利関係が問題で上映できなかった期間が長かっただけなの。
    しかし、横須賀美術館は神奈川県立美術館葉山分館と並んで行きづらい。遠いんだもん。

  3. > nagayoshi さん
    なんで書き込み元 IP が 220.147.57.168 なの? 埼玉県やん。
    リバイバル上映していようが、赤い風船を知っている人は、たぶん 10,000 人中 3 人ぐらい。それをメジャーと言うのは、やはり映画マニアやからやと思うなぁ… それは世間一般の考え方とは違うと思うよ。

  4. IPのことはニフティに聞いてくれ。
    俺の知り合いはきっと多分みんな知っているから。
    ということで私はマニアじゃなくて普通の人です。

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