毎年夏の恒例行事となっている、サントリーがスポンサーとなって東京ドームでプロ野球の OB チーム同士が対戦するサントリードリームマッチ、今年も見に行ってきました。
毎年のことなのですが、豪華な顔ぶれです。今年新加入の選手もいます。元近鉄の中村ノリ選手もその 1 人です。
始球式に出てきた石原さとみさん、なんとマウンドに上がると、歩数をはかって、その先を少し掘ったりして、マウンドを整えていました。まるでプロのピッチャーです。誰が教えたんでしょう…
そしてその投球フォームは、なんと元近鉄バファローズの野茂投手のフォーム、トルネード投法でした。
試合が始まりました。
元ピッツバーグ・パイレーツの桑田が投げます。球速はこの日はスピードガン表示がなかったので正確なところはわかりませんが、130km/h 弱ぐらいは出ていたと思います。これはプロの打者にとっては打ちごろの球だと思います。
元阪神タイガースのバース議員が打ちます。最初の打席で、外野犠牲フライで両チーム通じての初得点となる打点を記録しました。バース議員は今年は好調で、2 打席目以降は全打席ヒットでした。4 ~ 5 年前ぐらいは、ものすごく太っていて、お腹が出ていて全然バットも振れていない感じでしたが、今年はトレーニングしてきたのか、体も絞り込まれているし、スイングもかなりよい感じで振れていました。
元近鉄バファローズの中村ノリも打ちました。桑田投手から 2 点タイムリーツーベースを打っていました。再就職活動となったでしょうか。報道されているような性格の問題がなければ、まだ使ってくれる球団があってもおかしくない感じなのですが…
元西武ライオンズの東尾が 1 人だけ投げ、味方のエラーで出塁を許しました。そこで山本浩二監督に背負われてマウンドを降ります。
トレンディーエース、日本ハム西崎が投げます。この人、見た目がかっこいいとは個人的にはあまり思わないのですが、なんでトレンディーエースって呼ばれていたんでしたっけ?
元読売ジャイアンツの槙原投手がバース議員との対決のために出てきます。去年までは掛布、岡田と 3 連続ホームラントリオがいて、そこで槙原投手との対戦だったのですが、今年はバース 1 人だけです。
槙原選手は練習してきている感じで、なかなか良い投球をしていましたが、バース議員にはヒットを打たれました。
回は進んで、元阪神タイガースの下柳が投げます。
下柳投手の時までに打順が一回りしていて、打者はバース議員でした。下柳投手はバース議員にピッチャー強襲ヒットを打たれて、その打球に当たって痛そうでした。その後バース議員が下柳投手に打球を当ててしまったことを謝るため 1 塁からマウンドへ歩み寄って下柳投手とハグと、握手をしていました。さすが政治家っぽい動きです。
この日の試合では、バース議員が塁に出ると、なぜか毎回元中日ドラゴンズの山本マサ投手が代走に起用されていました。山本マサ投手は、どうもこの日は肩を痛めていて投球が難しい状況だったので、出場機会がないはずだったので、代走要員として使われていたようです。
元広島東洋カープの大野投手が、途中腰掛けるように低い姿勢になる現役時代さながらの独特のフォームで投げます。
甲子園のヒーロー荒木大輔投手が投げます。
出番になって登場する代打の切り札、元阪神タイガースの川藤選手が、打席に向かう前にダッグアウト前で口に含んだサントリーモルツをバッドに吹きかけて、場内は 「川藤出さんかい!」 など、色々な声が飛び交い大歓声です。
打席ではお約束どおり 3 球三振に倒れると、3 球目の空振りの後から打席でぐるぐる回って倒れていました。全く打てる気配を感じませんが、場内は 1 振りごとに盛り上がりました。野球のバッターというより、宗教のようなものです。スタンドからはもちろん 「ホンマに出してどないすんねん」 の声援 (?) が飛びます。
縁起物の川藤の次には、村田 兆治投手が登場しました。現役時代と変わらない大きく足を上げる独特のフォームを、いまだに変わらぬ姿勢で見せてくれました。
2014 年は直球勝負を挑んで打たれまくった村田兆治投手ですが、昨 2015 年も今年 2016 年も、フォークを交えて投げていました。残念ながら 130km/h は出せなくなってしまったようですが、変化球も混じると、ちゃんと元プロの、それも古田など、比較的若い選手をちゃんと抑えることができるようです。観客からは「1 イニング限定なら、現役復帰できるんじゃないの?」 というような会話があちこちから聞こえてきていました。
真剣勝負だった村田兆治投手がイニングを抑えると、ピッチャーに「ゴールデンクラブ」を手にした佐野投手が登場です。キャッチャーも同時に交代して、小田選手になりました。意図は明らかです。
すると、なぜか打順が変更になり、バッターに和田選手が出てきました。もうはっきりわかると思いますが、ハゲバッテリーに、ハゲバッターという凄い組み合わせです。
ここから毎年おなじみハゲコントがスタートです。まず佐野投手がバッターの後ろに飛んでいく大暴投をします。
これに怒った和田選手が、ヘルメットを投げ捨てて怒りをあらわにします。
投手へ向かおうとする和田選手を押しとどめている小田捕手も、いつのまにかヘルメットが脱げています。流れるような動き…
佐野投手に、帽子を脱いで謝れと小田捕手がジェスチャーで伝えます。
ふてくされたような態度で和田選手の方に近づいてきていた佐野投手ですが、ついに帽子を脱いで謝ります。
後ろで見ている、この時点ではショートを守っている桑田選手が、むちゃくちゃ笑ってます。そして和解した 3 人が肩を組んで歩きます。いったい何のシーンなんだ…? 佐野投手のどや顔が笑えます。
いつもながら楽しい茶番です。そして続いての佐野投手の投球では、投球動作中に帽子を飛ばしてハゲ頭を見せることにより打者を惑わすとされる、ピッカリ投法が炸裂します。
ピッカリ投法でけっこう抑えていた佐野投手は、ランディバース議員に対してもピッカリ投法で挑みます。
しかしバース議員は全く惑わされず、強烈な打球を打ち返しました。
その後、バース議員の代走で出た山本マサ選手が 3 塁から本塁を狙ったところで、佐野投手、小田捕手のピッカリ侠殺プレーでアウトになるという、今年新たに登場したピッカリコントの披露もありました。
佐野投手は 2 年ぐらい前だったかには、本人も練習してきたと発言していて、いつものようにコントをしつつも、実はかなりいい投球をしていましたが、今年は練習してないのか、球が全然走っていませんでした。ともあれ、これでコントは終了で、試合が続きます。
東京ドームに久しぶりに帰ってきた元日本ハムのガンちゃんも投げました。
終盤にはパンチ佐藤選手が登場。ウェイティングサークルでバットをたくさんもって素振りをして、打席に向かう前に 1 本も残さず投げてしまうのが毎年の恒例です。
全部投げちゃいます。
お年寄りの時間帯というのもあります。池谷投手が出てきて、捕手は大矢捕手に代わりました。そしてバッターは監督の山本浩二選手です。池谷投手は、なんとマウンドからホームプレートまで投球が届きません。
そのため山本監督がバッターボックスを投手側に半歩ほどはみ出して構えたりしてました。
続いての打者は、張本選手です。打席での力の抜けた感じの構えは現役のときさながらですが、スイングはヒドい… まぁ、御年なので仕方ないですが、自分が日本プロ野球史上最高の打者だと言い張るのなら、少しは練習してきてもらいたかったところです。
この日は先発投手、ショートの守備と魅せてくれた桑田選手が、打者としても出てきましたが、結果は出ませんでした。
ピッチャーは野口投手です。この 2 人の対戦は、ピッカリ 3 人組のようなシナリオなしで、本当に勝負している感じでした。
その後、なぜか佐野、小田ピッカリコンビが、それぞれ 1 塁、3 塁のコーチボックスに出てくる謎の演出がありました。
最後の打者となった時点で、この日は投げないと思われていた山本マサ投手がマウンドに上がりました。マウンドを整える姿が現役時代と同じ動きでした。
肩の怪我か何かで、この日はマウンドに立たない予定だったはずなのですが、結局出てきました。しかし 1 球も無駄にできないということらしく、投球練習なしで、いきなり打者に向かいます。そして 1 球目でアウトにして試合終了となったので、結局 1 球しか投げませんでした。
試合後、いつもの半額 400 円でチャリティーとして販売されていたサントリーモルツの売り上げが 59,940 杯、ソフトドリンク 10,293 杯が売れたという発表がありました。
MVP は、中村ノリ選手でした。観客はもちろん、本人も予想していなかったようで、かなり驚いていました。
毎年楽しみにしているサントリードリームマッチ、今年も楽しく観戦できました。こういう選手が試合をしていたマスターズリーグが復活してほしいですね。