2006/05/21(日) 交通博物館

先週末 2006/05/14(日) で、秋葉原にあった交通博物館が閉館してしまいました。
鉄道好きな小学生だった私にとって、東京へ行ったらぜひ行きたいと思っていた憧れの場所であり、秋葉原へはそれこそ何十回も行ったことがあって、電気街の少し外れではありますが、前を通りがかったことも何回もあったのに、閉館が決まるまで結局足を踏み入れたことがないままでした。
閉館になると聞いた昨年、これは行かねばと思ったのですが、ずるずると時だけが経ち、結局今年に入ってから初の交通博物館見学となりました。
秋葉原駅から遠い方の駐車場の角にある看板には閉館の日付が追記されていて、それだけでも物悲しい雰囲気です。
閉館日が書かれた看板
入口脇には新幹線 0 系の先頭車両と、D-51 型蒸気機関車の先頭部分が切り取られたものが展示されています。
実は小学生の頃憧れの場所であった交通博物館ですが、成長するにつれ私にとっては評価の低い博物館となっていきました。その最大の理由が、この玄関脇に展示された 2 つの列車の実物です。このような博物館では通常オリジナルの保存を優先する展示か、動態の維持を優先する展示かのいずれかが決断されて、その方針に従った展示がされるものです。そういう決断ができなかったり、どちらともつかない決断をするのは、よくない博物館と言わざるを得ません。この 2 つの先頭車両はオリジナルを破壊した上に、屋外で雨ざらしで展示するという、博物館としてはやってはいけない展示をしているのです。鉄道をメインとする博物館としては狭すぎることが問題だと言えます。新しい鉄道博物館はかなり広くなるようなので、このような悲惨な展示が繰り返されることはないことが期待できます。
新幹線車両と D-51
私が最初に見に行った日はまだそのままの展示でしたが、最終日が近づいてから再度行った時には、新幹線車両は光前頭カバーに「さようなら交通博物館 1921 ~ 1936 ~ 2006」という表示がされ、D-51 には「交通博物館」のヘッドマークが取り付けられていました。
さよなら装飾となった新幹線車両と D-51
入館して展示は一通り見たのですが、今回の目的は博物館の展示物ではなく、博物館そのものでした。また鉄道博物館が出来るとそこで展示されるであろう鉄道関係の展示物より、今後目に触れる機会がほとんどなくなると思われる、航空、船舶、自動車などの展示物にも注目して見てきました。
例えば、階段は、昭和モダンの印象が強い形をしています。
昭和モダンの印象を受ける階段
いかにも昔の建物という 4 階の通路の窓枠の向こうには、秋葉原の電気店街の南端の方の店の看板群が見え、さらにその向こうには、現代秋葉原を象徴する高層ビルの 1 つである秋葉原ダイビルが見えます。
交通博物館 4 階の窓から望む現代秋葉原
この窓のある 4F には、151 系電車の食堂車を模して作られたという「こだま」という食堂があります。
こだま食堂
このレストラン、妻面にあたる壁には、ちゃんと「日本国有鉄道 大井工場 昭和 37 年」のプレートがあります。これははったりではなく、実際にこの食堂の内装は大井工場が設計を担当し、車両に実際に使われている本物の部品なども用いられているということです。
大井工場のプレート
次に航空関連の展示ですが、施設が狭すぎるためか、模型中心で、あまりこれといった展示物はありません。その中でハイライトと呼べるものは、やはり機関車ホールの天井に吊り下げられた、日本で初めて飛んだ飛行機、「アンリ・ファルマン機」でしょう。
アンリ・ファルマン機
オリジナル保存の観点からは、ぶらさげ展示というのはかなり問題で、やはり展示は全体に雑です。しかし、これが日本で初めて飛んだ飛行機の実機であり、それを間近に見れるというのはすごいことです。
船舶の展示も模型中心です。しかし船舶の模型は航空関連より全般に出来が良くて関心しました。写真はフェリーの模型ですが、格納式フィンスタビライザーがきちんと再現されていました。
フィンスタビライザー
最後にこの博物館の本来の主展示である鉄道関連の展示物です。今回最も私が興味を持ったのは、近鉄の 2 代目ビスタカーの模型です。子供の頃近鉄の線路が目の前に通っているアパートに住んでいたので、まさに毎日のように見ていた電車で、とても懐かしい思いで見ました。
近鉄 2 代目ビスタカー
あとは、鉄道関係の展示の中で、新しい鉄道博物館には引き継がれそうにない、1 号機関車前の顔ハメで写真を撮ってきました。ちょっとわかりにくいですが、敬礼しているのは私の手ではなく、顔ハメの絵です。
顔ハメ
こんな感じで私のたった 2 回の、つまり、初の交通博物館見学と、最後の交通博物館見学が終わりました。
古い博物館としては珍しい体験型の施設が多かったり、工夫された楽しめる博物館であったと思う一方で、資料の保存という点では博物館としてはやはり正直いまいちと思う点もありました。
そういう内容に対する評価とは関係なく、何事にしろ、なくなってしまうということには寂しさを感じずにはいられませんでした。
交通博物館

「2006/05/21(日) 交通博物館」への3件のフィードバック

  1. 意外だな。何十回となく行ってるもんだとばっかり思ってたのに。

  2. まぁ、ずっとあると思ってるとなかなか行かない
    もの。梅小路だって 1 回しか行ったことないし

  3. 時間創造コンサルタント プチハッピー オリジナリティ
    ttp://blog.livedoor.jp/usp777/
    というサイトから 2006-07-04 10:04 にあった以下の内
    容のトラックバックは、SPAM とみなして削除しまし
    た。
    —– BEGIN —– SPAM トラックバック内容 ——–
    Excerpt: TB失礼致します。ちょっと変わったチャレンジャーです。よろしければ、私のプチハッピーサイトもご活用いただければさいわいです。
    Weblog: 時間創造コンサルタント プチハッピー オリジナリティ
    —— END —— SPAM トラックバック内容 ——–
    なお、上記のトラックバックは 202.33.19.60 から実施
    されていました。この IP はシトリックス・システム
    ズ・ジャパン(株) の IP のようです。以下、該当 IP
    のネットワーク情報です。
    Network Information: [ネットワーク情報]
    a. [IPネットワークアドレス] 202.33.19.0/26
    b. [ネットワーク名] CITRIXNET
    f. [組織名] シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
    g. [Organization] Citrix Systems Japan K.K
    m. [管理者連絡窓口] TS3259JP
    n. [技術連絡担当者] TS3259JP
    p. [ネームサーバ]
    [割当年月日] 2001/08/02
    [最終更新] 2001/08/02 11:03:05(JST)
    時間創造コンサルタントとか名乗っていながら、自分は
    Citrix 辞められずに会社員してるってことですね。有
    能なコンサルタントは違うなぁ… あるいは、退社前に
    会社の PC に自動トラックバック SPAM 生成ソフトを組
    み込んで去っていった犯罪者なんでしょうか…

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