Indian Pacific (インディアン・パシフィック号) の旅 (車内設備編)

インディアンパシフィック号はレッドカンガルークラス
と、ゴールドカンガルークラスの 2 つのクラスがあり
ます。レッドカンガルーが 2 等車クラス、ゴールドカ
ンガルーが 1 等車クラスです。レッドカンガルーには
さらに座席車と、2 人個室寝台車があります。
さらにレッドカンガルークラスに 1 組、ゴールドカン
ガルークラスは客車 5 両に 1 組のロビーカーと食堂車
(レストラン) が連結されています。ロビーカー、食堂
車はそれぞれ車内の装飾が異なっていて、それぞれに名
前がついています。
我々が乗った D 号車は、乗客の乗っている客車の中で
は一番先頭 (シドニー寄) に連結されていました。そこ
から、E 号車、ロビーカー、食堂車、A 号車、B 号車、
C 号車とつながって、ひとつのユニットを形成していま
す。
我々のユニットのロビーカーは SILVER CITY LOUNGE と
いう名前でした。
ロビーカー (SILVER CITY LOUNGE)
SILVER CITY LOUNGE ロゴ
SILVER CITY LOUNGE の中央部には、かつて喫煙室だっ
た部分が囲い付きで残っています。2006/03/01 から
パース~アデレードの区間で、2006/10/01 からはシド
ニー~パースの全ての区間でインディアンパシフィック
号は車内完全禁煙となったため、現在はドアを開放して
普通のロビーの一部として使われています。ただ、
SILVER CITY LOUNGE のちょうど真ん中あたりに設置さ
れているので、SILVER CITY LOUNGE 全体を見通すこと
ができず、説明会の時などにはけっこう邪魔です。
SILVER CITY LOUNGE 内の様子。中央左側から出っ張っ
ているのが元喫煙室
SILVER CITY LOUNGE の様子
元喫煙室部分のでっぱりの通路側の壁には、コーヒー
メーカーが置いてあり、自由にコーヒー、紅茶、ホット
チョコレートなどを飲むことができます。
SILVER CITY LOUNGE のコーヒーコーナー
SILVER CITY LOUNGE のコーヒーコーナー
車両の端には飲み物や土産物を売るバー兼売店がありま
す。途中の停車駅で行われるオフトレインツアーの予約
も、ここで行うことができます。
SILVER CITY LOUNGE のバー & 売店
SILVER CITY LOUNGE のバー & 売店
列車が 11:55 に East Perth を出発するとすぐに、各
車両に 1 人程度の割合でいる客室係が、各個室をま
わって個室内設備や、その他の車内の設備の使い方や、
各車両に備わっているコーヒーコーナーの説明、食事の
時間のグループ分けなどについて説明しに来ます。
各車両の端に乗務員室がありますが、乗務員はロビー
カーなどにいることが多く、滅多に人はいません。扉は
開放されていて、インスタントコーヒー、紅茶などと、
ちゃんとした瀬戸物のコーヒーカップが置いてあり、給
湯器があり、自分でコーヒーなどをいれて飲むことがで
きます。クッキーなど、ちょっとしたお菓子も置いてあ
り、自由に食べることができます。
コーヒーカップと、コーヒー粉など
給湯器
さらに少しするとゴールドカンガルーマネージャーとい
う人が食事のグループ分けを聞きに来ます。我々は早い
時間のマルーンカードを希望しようと思っていたのです
が、我々の部屋にゴールドマネージャーがまわってきた
時には、遅い時間のブルーカードしか残っていませんで
した。どうも、列車が出発するぐらいの時間にラウンジ
のバーへ行ってゴールドカンガルーマネージャーをつか
まえて、マルーンカードがいいと言っておくとよかった
みたいです。食事の回にもよりますが、マルーンカード
とブルーカードの食事時間は 1 時間 15 分~ 2 時間程
度の差があります。例えば最初の夕食はマルーンカード
が 18:00 で、ブルーカードは 20:00 です。マルーン
カード組の夕食は夕日に染まる車窓を眺めながらの食事
になりますが、ブルーカード組の時は真っ暗です。この
時間は乗車直後に決められると、降りるまでずっと同じ
順番です。
組み分けが終わってしばらくすると、マルーンカード組
は昼食にレストランに来てくださいというアナウンスが
あります。その間、ブルーカード組はラウンジで列車の
説明会があります。
SILVER CITY LOUNGE での説明会
SILVER CITY LOUNGE での説明会
写真で立っている金髪の人が、今回のゴールドカンガ
ルーマネージャーです。今回の列車は、客車 5 両 +
ロビーカー、食堂車の 7 両で構成されるゴールドカン
ガルーのユニットが 2 編成つながっているので、ゴー
ルドカンガルーマネージャーは、それぞれの編成ごとに
1 人いるようです。
説明は車内での過ごし方についての説明や食事について
の説明、途中の停車駅についての説明、列車の編成がど
のぐらい長いか、列車全体でどのぐらいの重さがある
か、機関車がどのぐらい馬力があるか、停車駅は限られ
ているのに頻繁に停車することがあるのが、単線区間で
はすれ違えないため停車することがあったりするからだ
というような、けっこうマニアックな説明をしてくれま
す。途中で「わかる人はいますか?」と聞くのですが、
お年寄りの乗客の中で予習してきていた人がいるみたい
で、けっこういい線の答えを言っていました。
しばらくするとマルーンカード組の食事が終わり、ロ
ビーカーにあつまっていたブルーカード組が食堂車へ来
るようにとの案内があるので、昼食に向かいます。(た
ぶん、この後マルーンカード組はロビーカーで同じ説明
を受けていたのだと思います)
食事の様子は別の記事で集中的に扱いますので、ここで
は車両の様子をご覧ください。
これが我々のユニットの食堂車クイーンアデレードレス
トラン Queen Adelaide Restaurant です。古さは隠せ
ませんが、シックな内装で、高級感があります
Queen Adelaide Restaurant
座席は 4 人掛けです。この写真は食事が終わってしば
らくして撮っているのでテーブルクロスがかかっていま
せんが、食事の時には白いクロスがかかり、その上に
テーブルセッティングが行われます。我々は 2 人で
乗っていたので、基本的に他人 (日本人ではない人々)
と同席することになります。
Queen Adelaide Restaurant のテーブル
テーブルの通路側の座面は、奥に座る人が入りやすいよ
うに跳ね上がるようになっています。
Queen Adelaide Restaurant の座席
食堂車の車窓。この写真は食事直後に撮っているのでク
ロスがまだかかっています。
食堂車の車窓
昼食後、私は車内探検の旅に出ました。
ゴールドカンガルークラスには、2 人用個室と 1 人用
個室があります。下の写真は 1 人用個室車両です。こ
の車両は中央に通路があり、左右に 1 人用個室が並ぶ
構造になっています。それぞれの個室 1 つずつ互い違
いにが少し中央方向へはみ出して並んでいるので、通路
はご覧のように波打ったような構造になっています。反
対側から人がくるとお互いに体を壁にこすりつけるよう
にしないとすれ違えません。通路幅自体は 2 人個室車
両とあまり変わりませんが、2 人個室車両の通路は先が
見通せるので少し幅のある車端部で待ってすれ違うので
すが、この車両は通路が波打っていて先が見えないの
で、真ん中ですれ違ってしまうことになります。
よ~く見ると、扉にラクダのロゴがついているのがわか
ると思いますが、これはガンという別の列車のロゴで
す。ガン用に製造された車両を、今回はインディアンパ
シフィックにつないでいるようです。
ゴールドカンガルー 1 人用個室車両
つぎは 2 つめのゴールドカンガルーユニットのロビー
カーです。HANNANS LOUNGE という名前です。SILVER
CITY LOUNGE と同じように中央付近に元喫煙室のでっぱ
りがあり、そのあたりから撮った写真です。
HANNANS LOUNGE ロゴ
HANNANS LOUNGE の様子 1
反対側から車両中央方向を見たところです。この写真を
撮っているすぐ後ろにバーがあります。
HANNANS LOUNGE の様子 2
HANNANS LOUNGE のバー & 売店です
HANNANS LOUNGE のバー & 売店
2 つめのゴールドカンガルーユニットの食堂車です。
我々のユニットより現代的な内装です。
CIMG0145
しばらく進むとまたゴールドカンガルークラスの 1 人
用個室車両があり、その先にレッドカンガルークラスの
車両がつながっていました。
レッドカンガルーロゴ
ゴールドカンガルークラスのすぐ次にはレッドカンガ
ルークラスの 2 人用個室がつながっています。ゴール
ドカンガルーの 1 人用個室車両と同様に中央に波打つ
通路をもつ車両です。ゴールドだと 1 人個室である同
じぐらいの広さに、2 人乗るということになります。
写真はレッドカンガルークラスの食堂車です。ゴールド
カンガルークラスは乗車中は 3 食の食事が料金に含ま
れていますが、レッドカンガルークラスは自分で買って
食べる必要があります。そのため飲食物を売るカウン
ターがあります。お菓子、スナック類も見やすく陳列さ
れているので、そういうものの買い物は、こちらの方が
便利そうです。(ゴールドカンガルークラスでは買えな
いのではなく、ロビーカーで同じものが購入できます
が、広いカウンターがないので陳列がみやすくないとい
うだけです)
レッドカンガルー食堂車販売カウンター
レッドカンガルー食堂車販売カウンター
レッドカンガルー食堂車商品陳列
レッドカンガルー食堂車商品陳列 1
レッドカンガルー食堂車商品陳列 2
レッドカンガルー食堂車の車内の様子
レッドカンガルー食堂車の車内の様子
この先 (列車の進行方向で言うと、後ろ) にレッドカン
ガルーのロビーカーがあり、さらに先へ進むと、座席車
両があります。進行方向前から後ろへ行ったので、座席
車両の扉を開けると、座っている人が全員こちらを見て
いることになります。ドアを開けた瞬間すごい視線を感
じて、ビビッてすぐに閉めて帰ってきてしまいました。
なので、座席車の写真は撮れませんでしたし、その先が
どうなっていたのかは謎として残ってしまいました。

「Indian Pacific (インディアン・パシフィック号) の旅 (車内設備編)」への4件のフィードバック

  1. テツ村さん、鼻血は出ませんでしたか?
    食堂車の記事、楽しみにしています。

  2. 食堂車の写真を見て、銀河鉄道999のシーンを思い出しました。って、年がばれちゃう?!

  3. にいな姉さん、私も 999 見てました。
    確かに 999 の客車の内装は古い感じのものだった
    ので、Queen Adelaide Restaurant は雰囲気が似
    ているかも知れませんね。

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