Indian Pacific (インディアン・パシフィック号) の旅 (食事編)

インディアンパシフィック号の最大の楽しみは大自然の
車窓だと思いますが、次に大きな楽しみは、やはり食事
です。
乗車中は風景を楽しむ以外には特にやることもなくほと
んど座ったままです。そこにゴールドカンガルークラス
では 1 日 3 食の食事が出るので、ブロイラーのように
運動せずひたすら食べ続けているような錯覚にとらわれ
ます。
食事は基本的に食堂車で取ります。列車がシドニーまで
行っていれば、予定では客室で食事を取る回もあったよ
うですが、我々はパースに戻ってしまったので、全ての
食事を食堂車で取りました。車内設備編でも説明しまし
たが、インディアンパシフィック号の食堂車には車両毎
に名前がついていて、我々の食堂車は Queen Adelaide
Restaurant という名前でした。
Queen Adelaide Restaurant ロゴ
Queen Adelaide Restaurant ロゴ
初日 2006/11/01(水) 昼食
まずは初日 2006/11/01(水) の昼食です。East Perth
を出てしばらくすると昼食時間です。しばらくと言って
も私が乗りたかった列車に乗ったことで興奮していたの
で短く感じただけで、実は出発してから 2 時間以上
たった 14:00 に昼食開始です。
メニュー表紙
メニュー表紙
メニュー中表紙
メニュー中表紙
メニューメインのページと 1 ページ目の飲み物ページ
メニューメインのページと 1 ページ目の飲み物ページ
メニュー 2 ページ目の飲み物ページ
メニュー 2 ページ目の飲み物ページ
メニュー裏表紙
メニュー裏表紙
メニューは上の写真のようなものです。このうちメイン
のページのみ食事の度に差し替えになります。
食事には 1 回 1 回名前がついていて、最初の昼食は
Avon Valley Lunch (Perth ~ Kalgoorlie) という名前
がついています。メニューはこんな感じです。
Avon Valley Lunch メニュー
Avon Valley Lunch メニュー
テーブルセッティングはこんな感じです。ゴールドカン
ガルーのナプキンが用意されています。
テーブルセッティング
テーブルセッティング
ゴールドカンガルーナプキン
ゴールドカンガルーナプキン
最初の食事では、食事の進め方について少し説明があり
ます。まずバーの係の人が各テーブルをまわって、飲み
物の注文を取りにきます。アルコールなどは別料金で
す。ただし、最初の食事では、多くの乗客が、直前に行
われていた説明会で出されたシャンパンを持ち込んでい
ました。我々は 2 人ともアルコールを飲まないので、
毎回水だけでした。水は何も言わなくても出てきます。
次にメニューの中にある選択できる部分でどれを選ぶか
を聞きにきます。
メインの食事が終わるとデザート後に出る飲み物として
コーヒーか紅茶の選択を聞きにきます。
食事の進め方といっても、それだけのことですが、ちゃ
んと説明してくれます。
食堂車には専任のウエイター/ウエイトレスが乗ってい
るわけではなく、客室係の方々が食事の世話もしていま
す。そのため、食事時間中は他の車両には客室係の人が
ほとんどいません。(実は食事時間中以外でもテーブル
の準備、後片付けや掃除など色々やることがあるらし
く、各車両の乗務員室に客室係がいることはほとんどあ
りません)
そんなことがあってから、最初の食事がはじまります。
食事には毎回パンが付きます。温めてサーブされます。
我々は食べるたびにちぎって、少しバターを塗って食べ
ていました。日本でレストランへ行ってもほとんどの人
がそうやって食べていると思うのですが、それを見た同
席の人に「パンは暖かいうちに半分に切って、バターを
塗っておくと、溶けて美味しいのよ」というような趣旨
のアドバイスをもらいました。ちょっと不思議だったの
ですが、乗客のほとんどがそうしていたので、オースト
ラリアではそういう食べ方が一般的なのかも知れませ
ん。
パン
そしてメインの料理です。
2 つの選択肢があったので、妻と 1 つずつ注文して、
半分ずつ分け合って食べました。どちらもとてもおいし
かったです。
Roasted Pumpkin, artichoke, Goat Cheese, Red
Pepper & Olive Tart
Mesclun Salad
Roasted Pumpkin, artichoke, Goat Cheese, Red Pepper & Olive Tart / Mesclun Salad
Herb & Black Lime Crusted Chicken
Herb & Black Lime Crusted Chicken
最後にデザートとコーヒーが出ます。このデザートも
オーストラリアとしては画期的なぐらい甘さ控えめで、
日本人にも食べやすいデザートでした。特にアーモンド
が入った少し酸味のあるクリームが非常によかったで
す。
Peach & Almond Tart
Double Cream
Peach & Almond Tart / Double Cream
初日 2006/11/01(水) 夕食
我々は遅い回の食事をするブルーカード組なので、初日
2006/11/01(水) の夕食は、20:00 からです。この食事
は Southern Cross Dinner (Perth ~ Kalgoorlie) と
いう名前です。ちなみに、早い回の食事をするマルーン
カードをもった人の夕食は 18:00 からで、食事の名前
も “Sunset Dinner” という違う名前になっています。
我々の場合は星空が見えるということなんでしょうか。
Blue Card
Blue Card
Southern Cross Dinner メニュー
Southern Cross Dinner メニュー
Southern Cross Dinner メニュー Entree
Southern Cross Dinner メニュー Entree
Southern Cross Dinner メニュー Main Course
Southern Cross Dinner メニュー Main Course
Southern Cross Dinner メニュー Dessert
Southern Cross Dinner メニュー Dessert
まずパンがサーブされます。このパンは実は配りに来た
時に「2 つちょうだい」と言うと 2 つもらえます。
パン
パン
テーブルセッティングも、昼食時にくらべるとカトラ
リーが多くて、ディナーっぽい感じです。
テーブルセッティング
今回の夕食の前菜は 2 種類から選べます。昼食同様、
妻とは別々のものを注文して、両方を食べました。最初
の写真にあるメニューの “Ponzu” とは「ポン酢」のこ
とです。しかも上に乗っている黄色いものは、見た目か
らわかるように、タクワンです。見た目で「タクワンに
似てるなぁ」と思ったのですが、食べるまでは別のもの
に違いないと思っていたので、ちょっと衝撃を受けまし
た。このメニューは味付けもポン酢を使っているためも
あると思いますが、全体的に日本風なものでした。タク
ワンは正直味覚的に浮いてる感じがありましたが、それ
以外はとてもおいしかったです。
スープもおいしくいただきました。ちなみに、スープの
写真で中身が少し片寄っているのは、列車が傾いている
からです。
Sugar Seared Tuna
Vegetable Salad & Ginger-Lemon Myrtle Ponzu
Dressing
Sugar Seared Tuna / Vegetable Salad & Ginger-Lemon Myrtle Ponzu Dressing
Tuscan Onion & Red Wine Soup
Gruyere Croutons
Tuscan Onion & Red Wine Soup / Gruyere Croutons
メインと同時に、メニューには載っていなかった温野菜
が出てきました。同じテーブルの 4 人分が 1 つの皿に
盛られて出てくるので、それぞれが自分の皿に取り分け
て食べます。
温野菜
温野菜
そしてメインです。
夕食では 4 つのメインから 1 つを選べます。今回も妻
とは別のメニューを選んで、分け合いました。本当は全
てのメニューを制覇したかったのですが、妻と協力して
も 4 種類のうち 2 種類は食べることができないのが残
念です。
ラビオリとフィレステーキを選択しましたが、これまた
2 つともおいしかったです。
Feta, Spinach and Pinenut Ravioli
Tomato and Oregano Sauce & Parmesan Cheese
Feta, Spinach and Pinenut Ravioli / Tomato and Oregano Sauce & Parmesan Cheese
Grilled Beef Fillet
Mountain Pepper Seasoning & Beetroot Glaze
Grilled Beef Fillet / Mountain Pepper Seasoning & Beetroot Glaze
デザートの前になぜかチョコレートが出てきました。
ゴールドカンガルーが描かれた袋に入っています。中身
は白いあまり甘くないキャラメルのようなものの中心に
ミント味のものが少し入っていて、その周囲がチョコ
レートでコーティングされているものでした。
ゴールドカンガルーチョコレート
最後にデザートとコーヒー (または紅茶) です。
今回のデザートは 2 種類から選べたのですが、1 つの
選択肢はチーズの盛り合わせだったので、それはパスし
て、妻と同じものを選択しました。
Chocolate & Whiskey Pudding
Bittersweet Chocolate Sauce & Double Cream
Chocolate & Whiskey Pudding / Bittersweet Chocolate Sauce & Double Cream
これも見た目ほど甘くなく、また、ウイスキーが入って
いるらしく、アルコールの嫌いな私には少し匂いが気に
なりますが、食べられないようなものではなく、おいし
くいただきました。
食事の最後にゴールドカンガルーマネージャーがやって
きて、列車は前方の貨物列車の事故の影響で次の停車駅
カルグーリで明日 2006/11/02(金) の朝まで停車すると
いう衝撃の発表がありましたが、乗客はジョークでも聞
いているようにおだやかで、なんとも不思議な感じでし
た。
2 日目 2006/11/02(木) 朝食
2 日目 2006/11/02(金) の朝、起きてもカルグーリに停
まったままです。しばらくすると列車は来た方向へ戻り
はじめました。それでも朝食は予定より少し遅れる程度
で 09:00am にははじまりました。
毎度おなじみのテーブルセッティング
テーブルセッティング
ジャム、マーマレードなどとともに、ベジマイト
VEGEMITE が置いてありました。オーストラリアの一種
の国民食で、日本の佃煮のようなものです。パンに塗っ
たりして食べます。不味くもありませんが、そんなにお
いしいというものでもありません。
ベジマイト
朝食は The Golden Mile Breakfast (Kalgoorlie ~
Adelaide) という名前でした。金鉱山の街 Kalgoorlie
にちなんだものです。それはいいのですが、区間名は本
当は (Kalgoorlie ~ Perth) なのです。悲しいです
ね。
The Golden Mile Breakfast メニュー
The Golden Mile Breakfast メニュー
The Golden Mile Breakfast メニュー前半
The Golden Mile Breakfast メニュー前半
The Golden Mile Breakfast メニュー後半
The Golden Mile Breakfast メニュー後半
朝食は選べる部分が 2 ヶ所ありました。前半の選択肢
は妻と別のものを注文しました。
Cereals
A Selection of Just Right, Cornflakes, Weetbix or
Muesli
Cereals / A Selection of Just Right, Cornflakes, Weetbix or Muesli
Fresh Fruit Medley
Seasonal Selection
Fresh Fruit Medley / Seasonal Selection
シリアルは牛乳をかけて食べます。何種類かのシリアル
が混ざっているのですが、とても硬いものがあって、牛
乳を入れたぐらいではふやけてくれず、かむのが大変で
した。
牛乳を入れたシリアル
フルーツは実は私がどちらかと言えば苦手としているス
イカ、メロンがメインでしたが、この日に限って言えば
おいしく食べることができました。
メニュー後半の選択肢は、”Toasted Breads and
Preserves” が選択肢の一つだと勘違いして 3 つの選択
肢から妻と 2 つを選ばなければならないと思ってい
て、トーストを選んでいました。ところが注文の段に
なってトーストは全員にに出ると言われ、一瞬で決断す
る必要があって、妻と同じものを選んでしまいました。
Scrambled Eggs
Gruyere cheese Muffin, Grilled Bacon & Baked
Tomato
Scrambled Eggs / Gruyere cheese Muffin, Grilled Bacon & Baked Tomato
注文を取りに来る前の検討で、トーストとワッフルの選
択肢からワッフルを落としたのですが、選択肢が 2 つ
なら妻と別のものを頼むべきでした。
トースト 3 種類ぐらいのトーストがカゴに盛られて
テーブルの中央にドンと置かれます。そこからそれぞれ
自分の好みのものを取ります。
私は普通のホワイトブレッドのトーストをとりました。
ホワイトブレッドのトースト
妻はホール・ウイートと思われるトーストを選んでいま
した。
ホール・ウイートのトースト
おいしく食べることができましたが、トーストとマフィ
ンがどちらも炭水化物系なので、すごくおなかにたまり
ます。列車の食事の量はオーストラリアの普通のレスト
ランで出てくる量よりかなり控え目ですが、なにせ全く
運動せず座っているだけなので、少し多いだけでもすぐ
に太ってしまいそうです。
2 日目 2006/11/02(木) 昼食
列車はどんどん出発地の Perth に戻っていきます。し
かし昼食は予定通りに 14:15 頃にはじまるのでした。
今回の度最後の食堂車での食事となった昼食は Red
Hills Lunch (Kalgoorlie ~ Adelaide) という名前で
す。
Red Hills Lunch メニュー
Red Hills Lunch メニュー
Red Hills Lunch メニュー Main Course
Red Hills Lunch メニュー Main Course
Red Hills Lunch メニュー Dessert
Red Hills Lunch メニュー Dessert
おなじみのパン。今回も暖かい状態でサーブされまし
た。
パン
今回のメインは 3 種類からの選択です。以下の 2 つを
選択しました。
Smoked Salmon Brioche
Red Onion, Cucumber, Rocket & Creme Fraiche
Smoked Salmon Brioche / Red Onion, Cucumber, Rocket & Creme Fraiche
Feta, Onion & Parsley Tart
Basil Pesto & Salad Greens
Feta, Onion & Parsley Tart / Basil Pesto & Salad Greens
食事の最初にパンが出てくるので、パンばかり食べてい
る気になってしまいましたが、サーモンのサンドイッチ
は、十分おいしいものでした。
タルトは微妙な味わいがあり、付け合せのバジルペース
トがとても美味しいものでした。
デザートは 2 種類からの選択です。当然妻と別々のも
のを選択して分け合います。
Nougat Parfait
Fresh Strawberries & Berry Sauce
Nougat Parfait / Fresh Strawberries & Berry Sauce
Warm Gingerbread Pudding
Poached Pears & Caramel Sauce
Warm Gingerbread Pudding / Poached Pears & Caramel Sauce
どちらも非常においしかったです。特にヌガーパフェが
おいしかったです。このヌガーパフェは名前からはもっ
と硬い感じのものを想像していたのですが、思ってい
たのと全然違うものが出てきました。実物は写真で見て
もわかるようにアイスクリームのようなものにベリーの
ソースがかかったものです。甘みも控えめで、いい感じ
でした。
総合的に言って、インディアンパシフィック号の食事は
どれも、オーストラリアに来てからの食事の中でトップ
クラスのものでした。
ちなみに、Web で公開されている他の人のインディアン
パシフィック号やガン号の乗車記にも書かれています
が、4 人掛けのテーブルで、食堂車のスペースに余裕が
ないので、2 人で乗っていると基本的に他の人と相席す
ることになります。日本人は食事中はあまりしゃべらな
いのが良いマナーですが、欧米の人にとってはこういう
ところでは話すのがマナーであるようなので、隙を見せ
る (…) と話しかけられてしまいます。私は適当に聞
いて、しゃべるのも適当に言っていたので、あまり疲れ
ませんでしが、妻は一生懸命相手をしていて、ちょっと
気疲れしたようです。
会話を楽しむ食堂車の乗客の様子
会話を楽しむ食堂車の乗客の様子
全然英語ができないと緊張するかも知れませんが、同行
者と日本語でガンガン話していると話しかけられないと
いうテクニック (…) がありますので、乗車された際
に、話しかけられるのが嫌だという方は試してみてくだ
さい。

「Indian Pacific (インディアン・パシフィック号) の旅 (食事編)」への1件の返信

  1. 興奮して鼻血が出ました。
    1泊2日でこの情報量ですから、予定通りの3泊4日の旅をしていたら大変なことになってましたね☆

コメントを残す