今日 2010/07/27(火) は、招待を受けて迎賓館 The State Guest House を訪問してきました。
とは言っても迎賓館を利用する人からの招待を受けてゲストとして行ってきたはずはなく、一般公開に申込んで抽選に当選して招待されただけです…
四谷駅で降りて迎賓館へ向かいます。バッキンガム宮殿を彷彿とさせる正面のゲートや柵が見えてきました。ここまでは基本的に誰でもいつでも見に来ることができます。
迎賓館前で記念写真に収まる妻
今回の建物内部の一般公開は、迎賓館西門から入場です。迎賓館は正面から見たことしかなかったので、西門があるということ自体今回初めて知りました。
迎賓館西門
西門から入るとすぐ右手に折れ、小さな橋を渡ります。迎賓館らしい雰囲気の欄干がついた、なかなかいい感じの橋です。
西門入ってすぐの橋
何を超える橋かと思ったら、首都高 4 号線でした。
首都高 4 号線
入るとすぐに行列に並びました。我々が到着した 12:10 頃には、行列は上の写真の橋の手前まで延びていました。それなりに並んでいるなと思いましたが、警備の人の会話を聞いていると、もう少し早い時間帯はもっと並んでいたようで「行列が西門より内側になった」というような話をしていました。案内葉書にも開始直後の 10 時が一番混雑すると書かれていたので、このイベントに関して言えば、早起きはお得ではないようです。
ちなみに、上の橋の写真で、橋の上に行列がないのは、係りの方が、橋の上は日差しをさえぎるものがないので、その上では列を作らなくてよいように整理されていたためです。この日はかなり暑かったので、これは有難かったです。
橋を越えたところの列へ進むと、セキュリティチェック直前に設けられたテントが見えました。その中でも待っている人がいました。
待ち行列テント
荷物は空港と同じような X 線の装置で中身をチェックされます。X 線検査係の方に荷物を預けた人は、これまた空港同様に金属探知機ゲートをくぐって入場します。しかし、チェック済みの人と、チェック後の人を分ける柵などがないので、このチェックは実際には意味がありません。
セキュリティチェックを過ぎると、4 つほどある受付名簿確認机に順次案内され、当選葉書と、身分証明書を見せて受付を行います。受付が終わった印として、ごらんのようなバッジをもらいます。なんと、五七桐の紋章付きです。
五七桐入り迎賓館参観受付済みバッジ
また、パンフレットもいただきました。
迎賓館パンフレット (表)
迎賓館パンフレット (裏)
セキュリティを抜けたところにコインロッカーがあり、持ち歩くのに不適切な荷物を持っている人は預けていくことができます。小さなカバン以外はなるべく持っていかないように言われましたが、旅行用のキャスタートランクを持っているような人以外は、持って行くこと自体を止められてはいませんでした。実際に我々は 2 人ともそれほど大きなものではありませんがデイパックを背負っていましたが、そのまま入ることができました。
建物へ進む通路の入口に、案内看板があります。このイベントは政府行事らしく、民間行事ではありえないほど至る所に人が配置されていて、この看板の横にも、「この案内をお読みになってから、この先へお進みください。1 時間程度の行程です。この先にトイレはありませんので、休憩所でお済ませになることをお勧めします。」というような事を、30 秒間隔ぐらいでず~っとしゃべっていました。警察か宮内庁の方だと思うのですが、大変なことです。
迎賓館参観案内図
我々は、暑かったので少し涼んで行きたかったのと、トイレに行っておいたほうが良さそうだったのとがあって、休憩所に立ち寄りました。休憩所の中では、迎賓館を紹介する DVD がエンドレスで流されていました。休憩所内はエアコン付きで、少しほっとします。
迎賓館紹介 DVD を流す休憩所
迎賓館の建物に進むと、向かって右手の入口が開いていて、ここが一般参観の入口となっていました。
迎賓館建物内部見学入口
この先、今回のイベントのハイライトである迎賓館の内部の見学をしばらくしたのですが、館内は写真撮影禁止だったので、絵がありません。
入館すると、カバンにしまえない傘は、傘立てに置いて行くように言われます。また、カーペットの上を歩いてくださいと何度か注意を受けました。他に、調度品だけでなく、カベや扉、ドアノブの類も含めて、触らないように言われます。例外は見学経路の途中に、上り、下り 1 つずつある階段の手すりで、これは安全のためということだと思いますが、さわれます。というより案内の人が積極的に「手すりを持って上ってください。」というように言っていました。経路の後半にある下りの階段の手すりは最近取り付けられたと思われるしょうもないものですが、経路の最初の方にある上りの階段の手すりは、少し年代を感じさせるものでした。建物内でさわれる唯一迎賓館らしいものでした。
建物内部は、彩鸞の間、花鳥の間、中央階段 2 階大ホール、朝日の間、羽衣の間と進んで見学します。それぞれの部屋では案内の人が立って、ずっと説明を繰り返ししゃべってくれていました。それぞれの部屋は一般の建物よりはもちろんかなり広いのですが、思っていたよりは狭く感じました。
ちなみに、建物内部は冷房が効いていて涼しいです。冷房は、人によってはちょっと寒いと感じるかも知れないほどよく効いていました。古い建物で建築当初は当然冷房はなかったものと思われますが、冷房装置は古い建物の雰囲気になじむように設定されていました。
建物を出ると、建物の裏手の方へ進むのが順路となっています。裏庭には、アメリカのフォード大統領や、ソビエトのゴルバチョフ大統領が来日した時の、記念植樹の木がありました。
フォード大統領の記念植樹木
フォード大統領の記念植樹木の説明板
ゴルバチョフ大統領の記念植樹木
ゴルバチョフ大統領の記念植樹木の説明板
迎賓館の裏手は、いかにも西洋式という感じの庭になっていて、噴水もあります。
迎賓館南庭噴水
建物の北面は、いつでも誰でも来れる、一番最初の写真の場所からも見えるので見たことがありますが、今回初めて南面を見ました。
迎賓館南面
迎賓館が建っている場所は傾きがあるのか、正面にある車寄せのスロープより、かなり長くて急な階段がついています。階段の上までは行ってよいようになっていたので、階段最上部のテラス状の部分に立って、階段の下の部分から写真を撮ってもらいました。
迎賓館南面階段部分で記念写真
噴水のところも明らかな記念撮影スポットで、大勢の人が写真を撮っていました。私も妻に撮ってもらいました。
迎賓館南庭噴水で記念写真
南庭の出口に近い一角に、休憩用のテントが設置されていました。この日は日差しが強くとても暑い日だったので、日陰となっているテントの中では大勢の人が休んでいました。
南庭の一角に設置された休憩用テント
休憩用テントの裏手には、飲み物の自動販売機も臨時に設置されていました。500ml のペットボトルは 100円、300ml のペットボトルは 80 円のお買い得価格です。迎賓館の庭に自動販売機があるという光景は、考えてみると不思議な光景です。
迎賓館南庭の自動販売機
暑くて熱中症対策を考える人が多いのか、唯一あったスポーツドリンクであるアクエリアスは売り切れていました。また 300ML の飲み物が 80 円と安いのはいいのですが、10 円玉の釣銭が切れていると買えません。100 円玉を入れて買う人が多いためか、我々が見た時には 2 台設置された自動販売機のどちらも 10 円玉釣銭切れでした。妻も私も暑かったので飲み物を買いたかったのですが、運悪く 80 円ちょうどの小銭がなくて買えませんでした。どうしようかと思っていると、ラッキーなことに 10 円玉をたくさん入れて商品を買った人がいて、10 円玉釣銭切れランプが消えました。その一瞬に 80 円の飲み物をそれぞれに買いました。我々の後に、もう 1 人ぐらい買ったところで、また 10 円玉釣銭切れになっていました。その直後直射日光の中庭を歩いてきたおじさんが自動販売機を見つけて嬉しそうに近寄ってきて、100 円玉を入れて「あれ、売り切れてないのに、ボタンが押せない」と言ったあと、釣銭切れに気付いて「今飲みたい。100 円でいいから売ってよ。」と自動販売機に話しかけていました。
休憩テントのところからさらにまわって、正面の北面に出ます。
迎賓館北面
表側である北面でも、記念撮影をしてみました。
迎賓館北面で記念撮影をする妻
正面ファサードの車寄せの部分は上がることができたので、正面入口をすぐ近くで見れました。正面入口は 3 つの扉がついています。3 つともパッと見たら一緒なのですが、よく見ると中央のものだけ違いました。
正面入口扉 1
正面入口扉 2
正面入口扉 1 と正面入口扉 2 の写真の違いがわかりましたか? 良く見ると一番上の部分に、中央扉だけ菊の御紋が付いています。
正面入口扉 1 – 向かって左の扉には菊の御紋はない
正面入口扉 2 – 中央扉には菊の御紋がある
玄関扉だけでなく、建物の意匠の細かい部分に、おもしろいところが色々ありました。
こちらは屋根の上の飾りですが、中央には兜をかぶって和風のヨロイを来た兵士の像があります。陸軍を意味しているものと思われます。
兜をかぶってヨロイを来た兵士の像
こちらも屋根の上の飾りです。怪獣映画に出てくる生き物のようですが、建物内で聞いた説明から推測すると、これは彩鸞の間の壁面にも彫刻があった鸞 (ラン) なのではないかと思います。
鸞の像
こちらは建物そのものではありませんが、北面車寄せの端にある外灯です。細かい部分にゴテゴテとした装飾がされていて、ヨーロッパの古い建築の意匠を良くまねて作ってあり、金具の部分が植物であるような装飾が施されています。
迎賓館北面車寄せ外灯
館内が撮影禁止だったのがちょっと悲しかったのですが、全般的には楽しく見学をすることができました。入口と同じ受付テントのある場所が出口です。
出入口のところには、迎賓館の写真集などを売る店のテントが出ていました。また郵便局の臨時出張窓口も出来ていました。
売店
出口へ向かう橋を渡る横の部分には、今後の一般参観の予定が書かれていました。今日の館内見学は、毎年 7 月下旬か 8 月上旬に行われているイベントで、毎年 5 月頃に日程公表し、5 月中頃から 1 ヶ月程度の間申込み募集し、抽選で決定ということが説明されていました。
また、秋には前庭の見学が例年行われているという事も説明されていました。秋の前庭公開は、事前申込み等は必要なく、公開されている日に直接来れば見れるそうです。
今後の参観等の予定案内看板