出来たばかりのころから行きたいと思っていたのですがなかなか行けずにいた首都圏外郭放水路の特別見学会 (一般公開) に行ってきました。
全くアーバンさを感じさせない東武アーバンパークラインで南桜井駅まで電車で向います。駅前からはイベント日なので、シャトルバスが出ています。
到着してさっそく「神殿」と言われる地下調圧水槽へと入りますが、その前に構造の紹介をしている絵の写真です。
下の写真の絵で、左下の調圧水槽に雨量などが多い場合に水を流し込んでためておきます。その後、川の水位が下がったり、雨があがってりして、流しても安全になったと判断できた時に、右側へと流します。見学できるのは実際にその中に降り立ってみる事ができる左下の調圧水槽と、調圧水槽から排出方向にある建物にあるポンプを、ポンプ室内に入って、見ることができます。
縦穴の周りの壁についた階段をぐるぐる回りながら降ります。一番下から見上げるとちょっと不思議な感じでした。
そして水槽へと入って行きます。入口は流出経路の 1 本で、流出経路を区分けする壁があるため少し狭いです。その先に水槽本体の広がりが見えてわくわくします。
その先に広がるのが調圧水槽の本体です。
柱に何か書いてあります。上は「定常運転水位」と読めますが、下の方は最近泥水に浸かったのか、汚れていてよく見えません。近寄ってみると「ポンプ停止水位」と書かれていました。
けっこう高い位置ですが、この水位より低くなると、ポンプのインペラより低くなることや、流出水路の天井の高さより低く、空気が入ってしまうことなどのため、吸い上げることがもうできません。なので、この位置でメインのポンプは停止しなければならないのだそうです。
奥行方向に向かって写真を撮るとこんな感じです。ND フィルターはありませんでしたが、一番絞ってなるべく長時間露光になるようにしてみました。5 ~ 6 人ぐらいは視界にいましたが、ほとんどの人は写っていないので成功です。右奥の方にかなりブレて写っている人がいるので、シャッタースピードの遅さがわかると思います。中央やや左に写っている人は、この人も三脚を立てて長時間露光で写真を撮っている人で、ほとんど動いていなかったためにこんな感じで写ってしまいました。
ここに行った人の Blog などを見ると、水槽中心部分の広い部分の写真が多いですが、左右には段差がある水路部分があり、そこもかなりいい感じの構造をしていてかっこいいです。
流出側は上部にゲートがあるため天井から光が入ってきています。その部分の真下へは行けなくなっていますが、写真にとるとちょっといい感じでした。
流入側には巨大な流入口があり、立坑が口を開けています。ここから大量の水が流れ込んでくるのです。
最後に、少し前に野球観戦に行っていた時に近くにいた少年の真似で白黒モードで撮って以来、時々使っている白黒モードで撮ってみました。
調圧水槽内にはいくつか解説のパネルが置かれていましたが、その 1 つはマンガでした。そのマンガの中身が「世のため人のための無料奉仕じゃ!!」と叫んでいるセリフがあるけっこうブラックなもので、お役所だなぁと思いました。
帰りの階段は途中まで調圧水槽の中にあります。
この階段の手すりがコンクリートではない部分は、施設稼働時には水の流れを妨げるので、おそらく取り外すのだろうと思いますが、その割にはしっかりと固定されていました。
一度外に出て、今度は水を吸い上げるポンプ室の側に入ります。巨大なポンプが 4 台並んでいます。
このポンプの動力源は、重油ガスタービンエンジン・三菱 MFT-8 です。
このエンジンは本来の燃料は JET-A などケロシンである航空機用のジェットエンジンを購入して、それを重油ガスで稼働するように改造したものだそうです。運転するとジェット旅客機と同じような音がして、もちろん、ジェット旅客機と同じように灯油のにおいが広がるそうです。
ポンプ室のある建物屋上から風景を見ていたら、ちょっと離れた場所でグライダーの飛行機曳航 (エアロトウ Aero Tow) が見えました。関宿滑空場か宝珠花滑空場のグライダーだと思います。久しぶりに飛びたいなぁ…
この首都圏外郭放水路は、その他にない見た目のために、アクションもののテレビドラマの撮影や、ミュージシャンのビデオクリップ撮影などにもよく使われています。また、今回のような一般の人が見に来るためのイベントもあるため、ニュース番組や旅番組などでも取り上げられることがあります。ポンプ室の建物の 3F 通路には、そういった時にもらった色紙や、撮影された写真などが展示されています。他にもたくさんあったのですが、写真をずらずら並べるのもどうかと思うおで、1 枚だけ代表ということで、水樹 奈々さんの写真とサインです。
なかなか楽しいイベントでした。