(詳細) 東京湾大華火

既報の通り、東京湾大華火を見てきました。
出発は夢の島マリーナからです。今年は同じ日に夢の島
公園で WORLD HAPPINESS という音楽イベントがあると
いう情報があり、駐車場がいつもにもまして混雑するの
ではないかということで、かなり早め、昼過ぎに到着す
るように出かけました。
しかし、マリーナの駐車場の入口では音楽イベントに来
場した人はこちらには入れないという事を、警備の人が
立って案内をしていて、例年より早く駐車場が満車にな
るという心配は杞憂だったようです。
夢の島マリーナは、今年 2008/04 から、スバル興業と
いうところに運営者が変更になりました。昨年までより
もやる気はあるようで、これまでの花火大会では見た事
がない出店が出ていました。おにぎり、カキ氷などを
売っていて、お祭りっぽい雰囲気を少し醸し出していま
した。
出店
出店
昼食に出店でおにぎりを買いました。さらにおやつにア
メリカンドッグを買いました。顔のついたイカした奴で
す。
顔のついたアメリカンドッグ
顔のついたアメリカンドッグ
さらに、マリンセンター前の桟橋から、各バースへの送
迎を行ってくれる無料シャトル船を運航していました。
無料シャトル船乗場
無料シャトル船乗場
せっかくなので、無料シャトル船に乗船して、船へ向か
います。
無料シャトル船乗船中の奥村
無料シャトル船乗船中の奥村
無料シャトル船乗船中の妻
無料シャトル船乗船中の妻
今回は自分の船で出航予定だったのですが、オーナーグ
ループの他の大きな船の定員に余裕があったので、大き
な船に乗せていただくことになりました。また、オー
ナーグループ内の他のオーナーの方のご尽力で、観覧エ
リアフラッグも入手済で、アンカリングして安心して花
火を見れる体制が整っていました。
今回乗った 43 フィート艇
今回乗った 43 フィート艇
17:30 出航で帰ってくるのは遅くなるため、出航前にマ
リーナのレストランで夕食を取りました。このレストラ
ンもマリーナ運営者が変更になった時に名前が変わりま
した。
マリーナを目の前にしたロケーションはいいので、もう
少しがんばれると思うのですが、メニューなどは以前よ
りは少し良くなった感じがします。
奥村のフレッシュトマトパスタ
奥村のフレッシュトマトパスタ
妻のトマトの冷製パスタ
妻のトマトの冷製パスタ
ということで 17:30 出航です。夕日が沈んでいくのを
見ながら晴海沖を目指します。
夕日
夕日
マリーナから新砂水門を出て、若州の先から東京港フェ
リーターミナル前の水路を通り、お台場沖から、レイン
ボーブリッジをくぐって晴海沖へ到着です。
晴海沖では観覧フラッグを持っている船だけが入れるエ
リアが黄色いブイで示されていました。その中でもかな
り打上げ場所に近く、かつ、打上げ場所から見て風上と
いう絶好のロケーションを確保できました。
アンカリングが終わった頃にちょうど 19:00 となり、
花火の打上げがはじまりました。打上げ場所である台船
まで 200m ぐらいのところにアンカリングできたので、
目の前というよりも、頭上で花火が開くという感じがす
るほどで、さらに体が震えるほど音が響き、非常に迫力
ある花火が見れました。写真はたくさん撮ったのです
が、コンパクトデジカメで、ゆれる船の上からという条
件もあって、それほどいい写真は撮れませんでした。そ
こそこよく写っているものを選んでみました。
スターマイン系の花火だとフレームに収まりますが、大
玉系の花火はコンパクトデジカメの広角側でフレームに
収まらないぐらいになります。このような形で写真が撮
れていることからも、近さはわかってもらえると思いま
す。
花火
花火
花火
花火
スターマイン系の花火では、色々な色が混ざったタイプ
のものと、同系統の色で押してくるタイプのものがあり
ます。今年は金色っぽい色を連続して打ち上げるタイプ
のものが目立った感じがしました。
金色っぽい花火
金色っぽい花火
金色っぽい花火
金色っぽい花火
金色っぽい花火
花火の中には面白い形をしたものがいくつかありまし
た。見ていて形がわかったものとしては、スマイル、
猫、魚などです。ちゃんと形がわかる写真が撮れたの
はスマイルだけでした。
スマイル
スマイル
あと、たぶんオリンピックを意識したものだと思ったの
ですが、いくつもの輪が重なったような形の花火があり
ました。
オリンピックスペシャル?
オリンピックスペシャル?
大玉の中には「ドーン」という音がした時にはほとんど
花火が開いていなくて、その後小さな花火があちこちで
同時に開くというタイプのものや、打ちあがっていく途
中で「ポッ、ポッ、ポッ、ポッ」と音を発しながら小さ
な花火を開いていって、最後に大きな花火が開くタイプ
などもありました。花火を良く見る人にとっては既に良
く知られているのかも知れませんが、私にとっては新趣
向と感じられて、面白かったです。
打ち上げ中に上空に飛行船が飛んでいるのに気付きまし
た。以下の高感度モードで撮った 2 枚の写真の赤丸で
囲んだ部分に写っているのがわかるでしょうか? これは
日本飛行船という会社が運航していたプレミアムナイト
フライト (花火観賞コース)
というフライトで、約 105
分で 1 人 210,000 円という、なかなかお高いフライト
です。埼玉県桶川のホンダエアポート発着というのも、
帰宅を考えると敷居が高そうです。
飛行船
飛行船
飛行船
ヘリコプターも何機か飛んでいました。テレビなどの取
材もあったようですが、調べてみるとヘリコプターで花
火を見るという遊覧飛行もあるようです。複数の会社が
運航しているようですが、値段は 1 人 20,000 円ぐら
いのようで、意外に安いかな、と思いました。でもフラ
イト時間は 15 分とか 20 分とかなので、飛んで、花火
をチラっと見て、もう戻るという感じなのかも知れませ
ん。
花火大会は 20:40 までと聞いていたのですが、実際に
は 20:20 で終了しました。アンカリングしていた場所
の周辺には、屋形船など多数の船が停泊していたため、
安全を考えてある程度の船が移動してしまってからマ
リーナへ戻りました。来るときと同じ経路ですが、完全
に日が暮れた夜間で、かつ花火帰りの船が多数周囲を航
行している状況なので、安全第一で慎重に帰ります。
新砂水門まで戻ると、東雲運河を通れる小さな (あるい
は背の低い) 船は運河経由でショートカットして来てい
るので、それらの船にとっては新砂水門を出る方向が帰
路で、我々大回りしてきて、夢の島マリーナへ戻る船に
とっては新砂水門を入る方向が帰路ということで、かな
りの船が列を作って水門前で待っていて、大混雑でし
た。
新砂水門は大混雑
新砂水門は大混雑
今回乗せていただいた船でも、ロープ扱いや、フェン
ダーの出し入れなど、本来であれば手伝うべきところが
あったのですが、1 年半ぶりぐらいに乗った上、自分の
船と違う点もあってあまりお手伝いできず、お世話にな
りっぱなしの花火クルーズでした。

イギリスより帰国

イギリス 1 ヵ月の滞在を終えて帰国しました。朝普段
より 1 時間早く起きました。荷造りは意外にすぐに終
わってしまい、テムズ川へ行って鳥さんたちにお別れを
言ってくるぐらいの時間がありました。
アパートからレディング駅までは歩いて 10 分程度の距
離で、普段の通勤では歩いていたのですが、この日は荷
物が多いのでバスで行くことにしました。£1.60- で
す。
アパート前のバス停 08:21 発の、ピンクの 24 番バス
アパート前のバス停 08:21 発の、ピンクの 24 番バス
レディング駅からは、イギリスへ来た時に使ったのと同
じ空港直行バスでヒースロー空港へ向かいます。
ヒースロー空港行きの直行バス
ヒースロー空港行きの直行バス
バスでターミナル 3 に到着する直前、シンガポール航
空の A380 がいるのが見えました。
シンガポール航空の A380
シンガポール航空の A380
バージン・アトランティック航空のチェックインは、
チェックイン自体はキオスクと呼ばれる端末で行い、荷
物の預け入れだけをカウンターで行うシステムです。し
かしこの日のキオスクは全てダウンしていました。私は
事前に Web でオンラインチェックインをしておいたの
で問題ありませんでしたが、そうでない人は普段より長
い時間がかかっていたかも知れません。これらのキオス
クは Windows マシンであることがこの日の画面でわか
りました。同じような事は他の情報掲示システムなどで
もたまにありますが、システムが動作していなくて、
Windows っぽいエラーダイアログが出ているとか、ログ
イン画面のままになっているとかでわかるのが普通で
す。しかしこの日のキオスク端末はほとんどは画面が
真っ黒のままで、それだけだとわかりませんでした。し
かし何台かは画面表示しています。それで Windows だ
とわかったのですが、出ていた画面は、なぜ、そういう
表示になっているのか、けっこう謎の画面でした。
なぜか「ファイル名を指定して実行」ダイアログが出ているキオスク端末
なぜか「ファイル名を指定して実行」ダイアログが出ているキオスク端末
こちらのキオスク端末では「メモ帳」が開いたまま
こちらのキオスク端末では「メモ帳」が開いたまま
チェックインまでに朝ごはんを食べます。ポンティス
ponti’s というイタリアン軽食の店で、ハンバーガー・
アル・イタリアーノ “Hamburger all’Italiano” という
ハンバーガーを食べました。ポテト付き。飲み物はいつ
もと同じカフェラテです。イタリアンなのかどうかはわ
かりませんが、独特の味付けのソースがからめられたた
まねぎが入っていて、パティの反対側にはサウザンアイ
ランドドレッシングっぽいものが塗ってあります。なか
なかこの組合せがいい感じで、おいしく食べることがで
きました。
Hamburger all’Italiano
Hamburger all'Italiano
チェックインする時に「ゲートの前に、出発予定時間の
30 分前には来い」と言われます。これはどこの空港も
国際線では同じだと思うのですが、ヒースロー空港は
ゲートの表示が出発予定時間の 1:15 分前になるまで行
われません。そのため全ての乗客がフードコート風に
なっている狭い待ち合わせスペースで待っていて、その
部分は常に混雑しています。私の乗った飛行機は 13:00
出発予定でゲートは 11:45 に発表される予定でした
が、実際にゲートが発表されたのは 12:06 の事でし
た。上述のフードコート風のエリアからゲートまでは
10 ~ 20 分ぐらいかかります。ゲートに 30 分前まで
に来いと言っておきながら、ゲートが発表されてすぐに
その表示に気付いて、すぐに移動を開始しても、ゲート
に着くのは 40 分前ぐらいがやっとです。システムに問
題があると思いました。
この空港はゲート前の待合スペースに入る時にチケット
チェックがあります。ゲートが発表されるタイミングが
時間的にそれほど余裕がないため、多くの人がいっせい
にゲート前に来ることになって、ゲート前では大行列が
できていました。この様子を見ても何も改善しようと思
わないのが英国風なのでしょう。
ゲート前の待合スペースは、ボーディング・ブリッジ側
半分が大混雑して立って待っている人もいるのに、反対
側の半分はなぜかスカスカで、余裕で座ることができま
した。待っていると、先ほどバスから見た A380 がプッ
シュバックされているのが見えました。もうちょっと後
ろまで押してくれると全体が見えるのですが、ここで
プッシュバック終了です。
シンガポール航空 A380
シンガポール航空 A380
私が乗る予定の A340 が左手前に写っていますが、比較
すると客室部分の背の高さとかが全然違うのがわかりま
す。しかし、胴体部分の全体が太いため、プロポーショ
ンとしては B-737 と似た感じになってしまっていて、
単独でいるとあまり大きいという印象を受けません。こ
の後滑走路へ出て行ってしまいました。
私の乗った飛行機はほぼ定刻で出発しました。この日は
雲底が低く離陸するとすぐに雲の中へ入ってしまいまし
た。そのためロンドンの街などの景色は全く見れず、次
に雲が切れた時に下を見ると、既に海が見えていまし
た。
しばらくすると例によってスナックと飲み物が提供され
ます。飲み物はコーラをお願いしたのですが、出てきた
のがコレです。
バージン・コーラ Virgin Cola
バージン・コーラ Virgin Cola
バージンが色々やっているとは思っていましたが、コー
ラも作ってるんですね…
さらにしばらくすると機内食です。今回も弁当を選びま
した。日本発の時の弁当より少し味が落ちるような気が
したのは気のせいでしょうか?
弁当
弁当
アイスクリームも出てきました。往路では食べた記憶が
ないのですが、どうも寝ていたために配られなかったよ
うです。このアイスクリーム、持ち手がついていないの
で、自分で持っている部分が体温でだんだん溶けていっ
てしまい、後半になるにつれ食べにくくなりました。ア
イスについてる棒って重要なんですね。
アイスクリーム
アイスクリーム
さらに日本へ近づいて窓の外が再び明るくなってきたと
ころで、朝食です。スクランブルエッグにしますか? オ
ムレツにしますか? と聞かれたのですが、なんとも微妙
な選択肢です。私はスクランブルエッグを選びました
が、後ろの席の外人さんは「なにが違うねん」という感
じのツッコミを (実際は英語です) スチュワーデスにし
ていました。
朝食
朝食
スクランブルエッグ
スクランブルエッグ
トイレの前に、飛行ルートの絵地図が貼ってありまし
た。イギリスの航空会社なのに、日本語メインで英語が
書き添えてあるという感じの地図です。北緯 77 度まで
行く経路もあるんですね。
スカイマップ
スカイマップ
新潟付近から本州上空へ入りました。今日は天気が良い
ので富士山が見えているという機長のアナウンスがあ
り、非常に遠いのですが、確かに富士山が見えていまし
た。
富士山
富士山
そして成田到着です。ヒースロー空港のゲートは構造上
自分が乗る機体の機首部分が見えなかったのですが、成
田では見れました。帰りの機体にも行きの機体同様ニッ
クネームが書かれていて、”Sleeping Beauty” (眠れる
森の美女) という名前でした。
“Sleeping Beauty” (眠れる森の美女)

成田空港から駐車場へ向かうバスから見た謎の荷物搬入
口です。建物側は 1 階と 2 階両方に搬入口がありま
す。2 階の搬入口を使う時はトラックの側が荷台を持ち
上げて使うようです。このような構造のトラックでない
と、ここでは荷物扱いができないようです。こんな重そ
うな装置を車側に付けて無駄に運ぶより、建物側を工夫
した方がよいような気がしました。
不思議な搬入口とトラック
不思議な搬入口とトラック
駐車場の出口です。今回の滞在中にパリでも見てきた自
由の女神がいました。
駐車場出口の自由の女神
駐車場出口の自由の女神
あとは、東関道、首都高、東名を経由して帰ってきまし
た。途中パーキングエリアで昼食を食べたのですが、普
通に売っているものが、普通に美味しいのがスバラシイ
です。売店に並んでいるしょうもないような食べ物も、
どれも美味しそうに見えて、あぁ、いい国に住んでるん
だなぁ、と思いました。
ということで英国 1 ヵ月の滞在記は終りです。2 日間
代休をもらったので、少しダラダラさせてもらって、水
曜から日本のオフィスで仕事に復帰です。

強行・日帰り海外旅行、おまけ 2 (ロンドン)

パリへの往復時に、ロンドンで撮った写真です。
アメリカ英語では地下鉄は Subway と言いますが、イギ
リス英語では Underground といいます。ロンドンの
Underground は、さらにその形から別名があり、TUBE
と言います。トンネルの掘削面積をケチったために建築
限界が狭く、その狭いトンネルから Tube と呼ばれてい
るようです。建築限界が小さいので、当然車両限界も小
さく、写真のようにカマボコのような形をした車両で
す。鶴見緑地線や大江戸線もトンネル掘削面積をケチっ
て車体が小さくなっていますが、日本人よりはるかに大
柄な人が多いので、頭が天井にあたりそうになっている
乗客もよく見かけます。
セコいチューブ TUBE 車両
セコいチューブ TUBE 車両
車両間には貫通路ドア自体は付いていますが、貫通幌が
なく、緊急停車時に車両間を移動する場合以外の使用は
禁止されています。
チューブ TUBE の車両間のドアは通り抜けできない
チューブ TUBE の車両間のドアは通り抜けできない
ホームには有名な “MIND THE GAP” のメッセージが書か
れています。構内放送でも列車の到着時などに “MIND
THE GAP” のメッセージが繰り返されるので、耳に刷り
込まれてしまいます。日本で考案されて世界に広まりつ
つある点字ブロックも貼られています。
チューブ TUBE マインド・ザ・ギャップ MIND THE GAP サイン
チューブ TUBE マインド・ザ・ギャップ MIND THE GAP サイン
セント・パンクラス駅はこんな看板がありました。地下
鉄の工事の宣伝看板です。地下鉄を改善していますよ、
と言いたいらしいのですが、毎週のようにあちこちス
トップするのはどうにかしてほしいと思います。
We are transforming your Tube
We are transforming your Tube
地下鉄の通路で、西遊記のポスターを見ました。日本と
中国以外ではとてもマイナーな話だと思っていたのです
が、少しは知られているのでしょうか?
西遊記のポスター
西遊記のポスター
こちらは HEROS Season 2 のポスターです。”WHO CAN
YOU TRUST?” というのはドラマで出てくるフレーズなの
でしょうか? 私は Season 1 が CATV で放送されていた
のでビデオに撮ったのですが、まだ見ていないのでよく
わかりません。
WHO CAN YOU TRUST? HEROES SEASON 2 のポスター
WHO CAN YOU TRUST? HEROES SEASON 2 のポスター

強行・日帰り海外旅行、おまけ

ツール・ド・フランスを見に行った日帰りパリ旅行の、
おまけ写真です。鉄分のみです。
ユーロスターでパリ北駅へ着くと、TGV がいました。
TGV
TGV
こちらは TGV そっくりの赤い列車です。タリス THALYS
という国際列車だそうです。初めて見た、と思ったので
すが、1998 年にパリからロンドンまでユーロスターに
乗った時の写真
を見ると、自分で撮った写真にちゃんと
写ってたりして驚きました。
赤い国際 TGV タリス Thalys
赤い国際 TGV タリス Thalys
客車列車も健在のようで、入線時に客車列車を曳いてき
たイカつい電気機関車がホームにいました。後ろに客車
も写っていますが、機関車とは既に切り離されていて、
2m ほど間が開いています。反対側の端には既に別の機
関車が連結されていました。入線するところを見ていな
いのですが、入線時に最初から前後に機関車を付けた状
態で入ってくるのではないかと思います。
イカつい電気機関車
イカつい電気機関車
ローカル線のホームには、けっこう新しい感じの近郊電
車が停まっていました。形や、連結部の構造が、なんと
なく 2 階建て TGV っぽくて、フランス人が電車の外観
スタイルを考えると、これがたぶん一番平凡な形なんだ
ろうなと感じました。
2 階建て TGV っぽい平凡なスタイルの近郊電車
2 階建て TGV っぽい平凡なスタイルの近郊電車
こちらはスタイルだけでなく、実際に 2 階建てになっ
ている近郊電車です。こんな箱にも、ちゃんと区切られ
た 1 等座席があり、ヨーロッパはやっぱり階級社会だ
なということを、あらためて感じさせられます。
2 階建近郊電車
2 階建近郊電車
こちらは、少し古そうな 2 階建て近郊電車です。CAD
導入前に外観スタイルの図面を作った列車は、だいたい
こんな感じなのでしょう。
古い 2 階て建近郊電車
古い 2 階て建近郊電車

強行・日帰り海外旅行、ツール・ド・フランス

リュクサンブール公園からは、来た時と同じ RER また
は B 線に乗り、サン・ミッシェル・ノートルダム駅で
C 線へ、さらに Invalides という駅で 13 号線に乗換
えという経路で行くつもりでした。
サン・ミッシェル・ノートルダム SAINT-MICHEL
NOTRE-DAME 駅までは 1 駅だけで、順調に移動しまし
た。
サン・ミッシェル・ノートルダム SAINT-MICHEL NOTRE-DAME 駅
サン・ミッシェル・ノートルダム SAINT-MICHEL NOTRE-DAME 駅
ところが C 線への乗換え口がわかりません。うろうろ
していて、ふと、黄色と黒のテープで雑に目隠しされて
いる看板が C 線への乗換え表示であることに気づきま
した。ロンドンといい、パリといい、地下鉄は止まって
ばかりです。
C 線工事中で乗換え看板は目隠し
C 線工事中で乗換え看板は目隠し
そこで B 線をもう 1 駅進んだシャトレー・レ・アレス
CHATELET LES HALLES 駅で 1 号線のシャトレー
CHATELET 駅に乗換え、目的地のシャンゼリゼ
Champs-Elysees Clemenceau駅へ向かいました。
シャトレー・レ・アレス CHATELET LES HALLES 駅
シャトレー・レ・アレス CHATELET LES HALLES 駅
最初からこの駅へ来ていれば乗換え 1 回なのですが、
なぜ乗換え 2 回の経路を最初選んだのかと言うと、こ
の駅はとても広くて、乗換えが大変だということが、路
線図を見ていてもわかったからなのです。実際、東京の
赤坂見附・永田町駅よりもはるかに長い乗換え経路でし
た。途中で分岐なのに 1 号線はこっち、という案内が
ない場所とかもあって不安になりつつ乗り換えました。
1 号線は大混雑ですが、日本と違って入口付近に立って
いる人が一度列車からホームに降りてくれるという事が
ないので、駅に止まるたびに乗り降りで大混乱が起きて
いました。また、車両の中ほどは少し空いているのです
が、奥へ詰めてくれる人もほとんどいません。私は最初
の駅ではうまく奥へ入れずドア前に立っていました。次
の駅では一度列車から出て、再び乗って奥へ行くことが
できたのですが、次の駅で、一度列車から降りる人がい
ない理由がわかりました。入口付近にいた人が一度降り
て、再び乗ろうとした時に、ドアを閉められてホームに
置き去りになってしまったのです。乗客は、出入り口を
譲るために降りるとすぐ閉められてしまうと思っている
ので降りないのです。
日本の鉄道のように出入り口を譲るために一度降りた人
が乗るのを車掌が確認してくれるような運用なら、多く
の人が一度降りて通路を確保できるので乗り降りがス
ムーズになって、結局は早く発車できるのと思うのです
が、フランスにはそういう考えはないようです。
列車は大混雑のままシャンゼリゼ駅へ着きました。
シャンゼリゼ Champs-Elysees Clemenceau 駅
シャンゼリゼ Champs-Elysees Clemenceau 駅
駅を出ようとすると、出口の両脇の壁の上に乗って観戦
している人がたくさんいました。日本なら警官が注意し
て降ろされると思うのですが、駅の入口に何人もいた警
官は注意もしていなかったので、フランスではこれは問
題視されないのでしょう。壁の上から地下鉄の階段側
は、一番奥のあたりでは 3m ぐらいの落差があります。
下はコンクリートのような硬い床面なので、落ちたら死
んでもおかしくない状況なのに、ちょっと怖すぎます。
メトロ出口の壁に乗って観戦する人々
メトロ出口の壁に乗って観戦する人々
駅はコンコルド広場と凱旋門の間にある交差点のところ
にあります。交差点の角は状況がわかる大型モニターが
設置されていることもあってか観戦ポイントとなってい
て、大勢の人が群がっています。肩車して横断幕を出し
て応援している人や、脚立に乗って応援している人など
もいました。
肩車で横断幕を出して応援する人
肩車で横断幕を出して応援する人
しかし地面はほぼ平らなので、前の方の群集が邪魔で
レースの様子は全然わかりません。しかし大型モニター
と、前方の人々の歓声でレースの集団が通過していく時
はわかります。頭の上の方に手をなるべく伸ばして、完
全なめくら押しでシャッターを何枚か切ってみました。
下の写真はその中で集団が映っていた 1 枚です。肉眼
では、前に立っている人の頭と、となりの人の頭の間の
わずかな隙間から前方が見えます。自転車が通過してい
るのも見えたような気もしますが、幻覚だったのかも知
れません…
周囲の人々のほとんども私と同じでレースは見えていな
いはずですが、とりあえず「ヒューヒュー」という感じ
の声や、色々な国の言葉と思われる掛け声をかけて、集
団の通過時には盛り上がります。
大集団が通過中
大集団が通過中
この場所では肉眼でまともにレースを見る事はできなさ
そうなので移動を始めました。凱旋門方向へかなり歩い
たところで、比較的人の壁の薄そうなところを見つけ、
後ろに立ってみました。
人の動きを観察していると、3 列目ぐらいまでの人は観
戦をやめて後ろへ下がってくる人がいます。その下がっ
てきた人と入替って別の人が入っていくというような流
れがあります。その流れを利用してうまく 3 列目まで
は入っていくことができました。そこでわかった事は、
結局道路に段差がないので、3 列目ではよく見えないと
いうことです。1 列目の人の頭と頭の間の空間から 2
列目の人が観戦していて、3 列目からだと、隙間はほと
んどないという状況です。
それでもレースの自転車が近づいてくるまでは背伸びを
すれば路面も見えていて、これなら観戦できそうだと
思っていたのですが、自転車が近づいてくると 2 列目
の人が背伸びをして、さらにカメラを頭上に突き出すた
め、よく見えなくなってしまいます。結局、前から 2
列目ぐらいまで行かないと肉眼ではまともにはレースは
見れないようです。2 列目までにいる人はかなり覚悟の
ある人々らしく全然移動しません。たぶん朝早くから来
て、その場所を確保していたのでしょう。逆に 3 列目
より後ろにいる人は、私よりは先に来ていたとしても、
そんなに前からいるわけではなく、しばらく 3 列目で
観戦すると、見えないことがわかるのでどいてしまい、
前述の人の流れができて、私も 3 列目までは行くこと
ができたということのようです。
写真は手を上に伸ばしてめくら押しは同じですが、さっ
きいた場所よりはかなりいい感じで撮ることができまし
た。
先頭で逃げを打っている選手
先頭で逃げを打っている選手
大集団を撮った写真には、マイヨジョーヌも写っている
ように見えます。(右端)
大集団が通過中
大集団が通過中
肉眼でも、前の人が頭をちょっと動かした瞬間とかに隙
間から覗き見るというようなレベルですが、自転車が
走っているのを見れました。でも、上の写真では写って
いるように見えるマイヨジョーヌなど、まったく判別不
能でした。
一生に一度見れるかどうかというツール・ド・フランス
観戦は、このようにして終わったのでした… なんだか
なぁ、という点もありますが、個人的には満足してま
す。

強行・日帰り海外旅行、パリで自由の女神原型像を見る

パリに行くことにして、5 時間ちょっとしかない滞在時
間でツール・ド・フランスの見物以外に何ができるかと
考えていた時、そういえば、以前から見てみたいものが
あった事を思い出しました。自由の女神の原型像です。
New York 港にある自由の女神像の原型像が、パリ市内
のリュクサンブール Luxembourg 公園にあります。この
Luxembourg という単語の日本での一般的な読みは、ル
クセンブルクで、ベネルクス 3 国の 1 つと同じ綴りで
す。
パリ北駅からは地下鉄で移動します。
パリ北駅 Gare du Nort のファサード
パリ北駅 Gare du Nort のファサード
パリ北駅の観光案内所でパリ・ビジット PARIS VISITE
という、地下鉄・バスの 1 日乗り放題券を買いまし
た。すでに午後だったため、窓口のおばちゃんに「今日
の乗り放題券で合ってる? 今から買うの?」としつこく
確認されてしまいました。たぶんお得度合いで言えばカ
ルネ (回数券) を買った方がよかったのだと思います
が、最初から決めていたので PARIS VISITE を買いまし
た。
パリ・ビジット PARIS VISITE – 地下鉄・バス 1 日乗り放題券
パリ・ビジット PARIS VISITE - 地下鉄・バス 1 日乗り放題券
パリ北駅の地下鉄へ降りていく部分はとても綺麗に作り
直されて明るい雰囲気なのですが、階段の途中からは
1998 年に来た時と変わっていなくて、暗くて汚いまま
です。
パリ北 PARIS NORD 駅
パリ北 PARIS NORD 駅
リュクサンブール Luxembourg 駅へは RER または B と
いう路線 (同じホームに来ます。RER は私鉄の相互乗り
入れで、B は地下鉄の路線名であるようです) で、乗換
えなし、わずか 3 駅です。
リュクサンブール Luxembourg 駅
リュクサンブール Luxembourg 駅
リュクサンブール Luxembourg 駅で出ようとしたら、出
口改札に近づいただけではゲートが開きません。1998
年に来た時は均一料金だったので、出口ゲートは近づく
と切符の確認なしに開くタイプだったのですが、どうや
らゾーン制料金に変更になって、出口でも切符が必要に
なったようです。
リュクサンブール公園 Jardin du Luxembourg につい
て、案内図で自由の女神像を探します。
リュクサンブール公園 Jardin du Luxembourg 案内図
リュクサンブール公園 Jardin du Luxembourg 案内図
細かい説明も含めて、かなり一生懸命探したつもりです
が、見つけられません。あんな有名な像について案内図
に書いてないなんてことはないと思ってしばらく探した
のですが、見つけられず、歩き回って探すことにしまし
た。
公園自体は林になっている部分と、広場の部分、リュク
サンブール宮殿、芝生と並木の部分などがあります。ど
のエリアにも彫刻があって、1 つ 1 つ見て行っていて
も、自由の女神に行き当たることはないのではないかと
思えるほどでした。
あと、この公園は、とても人が多いです。日比谷公園以
上の人口密度です。公園内のベンチは、全て人が座って
いるといっていいぐらいだったし、公園内にあるいくつ
かのカフェも、ほぼ満席でした。芝生のところにもゴロ
ゴロしている人がいるのですが、これまで私が海外の公
園でよく見かけてきた「外人が芝生でゴロゴロ」してい
る光景とは全く密度が違います。人がぎっちりいて驚き
ました。
リュクサンブール公園中央の広場
リュクサンブール公園中央の広場
リュクサンブール宮殿 (現在は国会議事堂でもあります)
リュクサンブール宮殿 (現在は国会議事堂でもあります)
リュクサンブール公園中央南側の芝生
リュクサンブール公園中央南側の芝生
リュクサンブール公園の花壇
リュクサンブール公園の花壇
しばしうろうろした所で、警察官を見かけて聞いてみま
した。英語わかりますか? と聞くと “No” と言われて、
私が黙ってしまっていると “Little” といい直してくれ
ました。「この公園に自由の女神像 (Statue of
Liberty) があると聞いたのですが、どこですか?」と聞
くと、「Yes. ついてこい」と言われてしばらく案内さ
れた後、「あとはこの道をまっすぐ行くだけ」と英語で
言われた後、フランス語で何か追加説明らしき事を言わ
れました。フランス語はわからないんですけど…
ともかく警官に言われた方向へ歩き、少し迷ってから、
自由の女神像を見つけました。
自由の女神原型像
自由の女神原型像
Web で探しても公園自体の場所はあちこちで書かれてい
ますが、このけっこう広い公園の中での具体的な位置は
あまり書かれていないようです。ということで、なるべ
くわかりやすく書きたいところなのですが、文章で表現
するのも難しいので、公園の地図に赤丸印を付けて示し
ておきます。以下の赤丸のあたりです。上にある全体の
地図とあわせてご覧ください。この写真の写している範
囲は、上の全体の地図の写真で言えば、左下 (南西) に
あたる範囲です。
自由の女神原型像の場所
自由の女神原型像の場所
バカ写真も撮ってもらいましたが、縦位置で、とお願い
すべきでした。足もまねしているつもりなのに、撮って
もらった写真には全身が写っていませんでした。
自由の女神原型像
自由の女神原型像
次回は、いよいよツール・ド・フランスを見物します。

強行・日帰り海外旅行、ユーロスターを 1 日で往復乗車

長くなるので、ユーロスター編、自由の女神編、ツール・ド・フランス編に分けることにしました。

# 分割しても十分長いポストになってしまいました。

まずはパリへの往復に使ったユーロスター Eurostar です。

レディング Reading から、ロンドン・パディントン London Paddington まではいつものようにファースト・グレート・ウエスタン First Great Western 鉄道で移動します。レディングを 08:03 に出発する列車に乗ったのですが、途中 1 駅しか停まらない列車なのに、InterCity ではなく、通常の近郊型のディーゼルカーでの運転でした。

今日 2008/07/27(日) からは妻は帰国してしまっているので、出かける準備も自分でしなければなりません。昨晩のうちにお茶を沸かして、ちゃんとペットボトルに入れてもってきました。

自分で入れてきたお茶
自分で入れてきたお茶

パディントン Paddington から、キングス・クロス・セント・パンクラス King’s Cross St. Pancras 駅へは、本来は直行する地下鉄路線があるのですが、この日は工事であちこちの路線が止まっていて、直行できませんでした。日本でも工事で地下鉄が止まることはありますが、線路切替や橋梁交換のような大規模なもの以外は滅多にないのですが、ロンドンではしょっちゅう計画運休があって、特に週末は、毎週どこかは止まっているという感じです。

11 路線中 5 路線が工事中
11 路線中 5 路線が工事中

駅員の方に確認すると、OxFord Circus 駅乗換えで行くようにということだったのでそれに従います。時間に余裕のあるスケジュールでよかったです。

PADDINGTON
PADDINGTON

OXFORD CIRCUS
OXFORD CIRCUS

KING’S CROSS ST. PANCRAS
KING'S CROSS ST. PANCRAS

キングス・クロス King’s Cross の地下鉄駅ホームには王冠のタイル絵がありました。これで King’s Cross ということでしょう。

KING’S CROSS のタイル
KING'S CROSS のタイル

地下鉄のキングス・クロス・セント・パンクラス King’s Cros St. Pancras 駅から上がっていくと、地上にはキングス・クロス King’s Cros 駅と、セント・パンクラス St. Pancras 駅があります。今回乗車するユーロスター Eurostar は、昨 2007 年 11 月から、それまでのウオータールー Waterloo 駅への乗り入れから、セント・パンクラス St. Pancras 駅乗り入れに変更になりました。すぐ隣に建つキングス・クロス駅は、フライング・スコッツマンの出発駅として有名な駅です。

セント・パンクラス駅へ行く前に、キングス・クロス駅へ行ってみると、10:00 出発のフライング・スコッツマンの編成が停まっていました。(写真がボケボケなのは、とってくれたおじさんの手ブレのためです)

フライング・スコッツマン Flying Scotsman
フライング・スコッツマン Flying Scotsman

第二次世界大戦中、ドイツ軍の空襲や V2 ミサイルが降り注ぐ中でも 10:00 ちょうどの出発を守り続けたという伝説の列車ですが、今は特別な車両が使われているわけでもなく、車体にも、発車時刻表にも Flying Scotsman の表示はなくさみしいものです。しかも戦争も何もない現代イギリス社会では、列車が時刻表通りに走らないことはありふれたことで、この列車も定刻発車を守れないことが多くあるに違いありません。
駅で配っている携帯時刻表には、この列車に “FS” というリマークがあり、リマークの意味が説明されているところで “FS – Flying Scotsman” と書かれていたのが、唯一この列車が伝説の列車であることを示していました。

セント・パンクラス駅へ移動し、チェックインの前に朝食を調達します。改札の前にある PAUL というパン屋さんで、パンを 2 種類と、カフェラテを買いました。

St Pancras 駅の PAUL という売店で買ったカフェラテ
St Pancras 駅の PAUL という売店で買ったカフェラテ

買ったものを持って自動チェックイン機のゲートを通るとセキュリティがあります。ここで、係りの人から「飲み物はだめ。そこで飲み干して」と言われてしまいました。列の脇で飲んでいると、奥の方から、頭の固そうな女性の警備担当者がやってきて「あんた、こんなところで何やってんの」と文句を言ってきます。「あの人がコーヒーをここで飲み干せと言ったから飲んでる」と言うと、セキュリティーの係りの人と少し話をしていて、係りの人は「私がそこで飲めと言いました」というような説明をしてくれたのですが、どうやら女性の方が上司にあたるのか、何やら怒られていた様子で、結局私はセキュリティーエリアからチェックインゲートの直後まで追い返されてしまい、そこでコーヒーを飲む羽目になりました。ちなみに、飛行機と違ってユーロスター Eurostar は液体の持ち込みが禁止されているわけではありません… しかも改札の目の前にコーヒースタンドを兼ねたパン屋があるので、私と同じようにセキュリティーエリアから追い返される人が続出していました。飲み物を手持ちで持ち込む事を禁止する事に何の意味があるのか全然わかりません。そもそも列車に乗るのにセキュリティーゲートがある事も意味がわかりませんが…

ともかく、金属探知機と X 線のオーソドックスなセキュリティを通ると、イミグレーションがあります。これは実はイギリスの出国審査ではなく、フランスの入国審査です。入国書類のようなものを書くこともなく、全く質問されることもなく、汽車のマークのスタンプを押してくれました。

その先に待合室があります。ホームへは列車の発車 20 分前まで上がることができません。ここにもカフェがありました。外に手持ちに飲み物を持ってはセキュリティーゲートを越えられないという事と、セキュリティエリア内にカフェがある事を、明確に表示して欲しいところです。

待合室は新しいこともあって奇麗にですが、列車に乗る人数の割には明らかに狭すぎで、椅子の数が不足しています。しかも、こちらの人は周囲に立っている人がいたりしても席を詰めてくれるというような習慣はないので、たまたま先に入っていた人が、その人が入った時点では使っていなかったであろう椅子に荷物を置いてしまうと、人が増えてもそのまま荷物をどけもせずにぼんや
り座っています。
そのため、後から入ってきたほとんどの人は所在なげに立っているか、床に座り込んでいます。後からと言っても列車の発車時間の 40 分前ぐらいに入っているので、そんなに遅いというわけではありません。

セキュリティーを通過したところの待合室
セキュリティーを通過したところの待合室

しばらくするとホームへのドアが開かれ搭乗開始です。列車の写真を撮ろうと最後尾の方へ行ってみると、日本人らしき方が写真を撮っていたので、日本語で話しかけてみると、やはり日本人でした。お願いして写真を撮ってもらいました。

ユーロスター Eurostar
ユーロスター Eurostar

列車は定刻より 2 分ほどフライングして発車してしまいました。しかし出発して 5 分ほどで減速して停車してしまいました。停車して 2、3 分後「指示があって停車してます。理由を問い合わせ中です。パニックにならず、車外に出ないようにしてください」というようなアナウンスがありましたが、アナウンスが終わると同時ぐらいに動きはじめました。理由がわかったのかどうかわかりませんが、説明はありませんでした。

往路で乗ったのは一番安い Standard というクラスです。写真のような椅子です。椅子の幅は私には広すぎです。私はあまり広すぎない幅の椅子の方が好きなので、この幅は広すぎですが、多くの人は幅に関しては文句を言わないと思います。背もたれの高さも十分あります。しかし問題点はたくさんあって、とても座り心地の悪い椅子です。

座り心地の悪い椅子
座り心地の悪い椅子

まず、椅子の向きは固定されていて、回転しません。車両の中央付近に向かい合わせの席があり、その場所を境に、列車の半分ぐらいは進行方向向き、残りは後ろ向きに座ることになります。30 年ぐらい前の新幹線のようです。私は往復とも進行方向に対して後ろ向きに座らされました。

第 2 に、まったくリクライニングしません。背もたれの角度は完全固定です。立派なヘッドレストがついていますが、左右のサポートを含め、まったく調整できる箇所はありません。

第 3 の問題点は、シートピッチが狭すぎることです。こんな幅はいらないので、新幹線のように片側を 3 列の横 5 列にして乗車定員を確保した上で、シートピッチを広げて欲しいものです。

第 4 の問題点は、窓の位置です。シートと窓が別設計の航空機と違って、設計当初からシートの位置はわかっているはずだと思うのですが、シートの位置に窓がない席があります。私が座った席はまさにそのような席で、景色は前の席の横の隙間からしか楽しめませんでした。最悪です。

窓のない座席
窓のない座席

最後の問題点は、テーブルがでかすぎることです。しかも位置が低すぎます。

でかすぎるテーブル
でかすぎるテーブル

私はそんなに太っているとは思いませんが、シートピッチが狭いこともあって、テーブルを出すと、先端におなかがあたりそうなぐらい手前まで出てきます。しかも位置が低すぎるので、足を組むと太ももにあたってテーブルを一番最後まで開くことができません。体の小さな日本人の私でさえこうなので、体の大きな外人の方だと、このテーブルは全く使えないという人が多いと思います。

ともかく、文句を言っていても楽しくないので、乗った以上は楽しみます。列車は出発したので、買い込んだパンを食べることにしました。

PAUL のクロワッサンサンドイッチ
PAUL のクロワッサンサンドイッチ

PAUL のミニ・パン
PAUL のミニ・パン

海峡トンネルに入ってしばらくしたところで、カフェに行ってみました。正式には Cafe ではなく Bar と呼ぶようですが、日本の列車ならビュッフェと呼ばれるであろう、売店と、ごく簡易な立席のスペースがある車両です。

ユーロスター Eurostar カフェカフェ (Bar) – 海峡トンネル内
ユーロスター Eurostar カフェカフェ (Bar) - 海峡トンネル内

カフェで、ラテを頼んだら、普通のコーヒーしかないと言われました。英仏を結ぶ列車でラテを売ってないのは驚きです。

コーヒーを飲んでいると、トンネルを出ました。窓の外が明るくなります。

ユーロスター Eurostar のカフェ – トンネル外
ユーロスター Eurostar のカフェ - トンネル外

トンネルを出てしばらくすると「予定より 20 分遅れている」というアナウンスがありました。列車は最後まで遅れを取り戻すことなく、パリ北駅 Gare du Nord に 20 分遅れで到着しました。セント・パンクラス駅と違い、このホームには見覚えがあります

パリ北駅 Gare du Nord
パリ北駅 Gare du Nord

さらに進んで行くとドームの中へ入ります。

パリ北駅 Gare du Nord ドーム内
パリ北駅  Gare du Nord ドーム内

入国審査はロンドンで終わっているので、出口は一方通行であるだけで、普通のゲートを通るだけです。

復路

パリでのあれこれは別に書きます。ということで早速帰りです。

Gare du Nort でチェックインしてセキュリティーを通ると、イギリスの入国審査があります。前回 1998 年にユーロスターに乗った時は、イギリスの入国審査はウオータールー Waterloo 駅であったので、やり方を変更したようです。セント・パンクラス駅でのフランスの入国審査では何も聞かれませんでしたが、パリ北駅でのイギリスの入国審査は、Landing Card という書類を書く必要があり、質問も「何日間イギリスに滞在しますか?」、「イギリスでは何をしますか?」というような、普通の入国審査の質問がありました。
この後、昨 2007 年にできたばかりであるはずのセント・パンクラス駅に到着しますが、出口には入国審査を行うためのスペースがあり、”EU Passport Holder” などの案内表示が残っていましたが、施設は使われておらず、パリ北駅での到着時同様、一方通行のゲートを出るだけでした。もしも、2007 年 11 月以前から変更になっていたのだとすれば、セント・パンクラス駅にそのような施設を作った理由がわからないので、2007 年 11 月時点ではまだ到着国側で入国審査をしていたのが、その後、つまりごく最近変更になったのだと思われます。
変更するつもりがあったのなら、セント・パンクラス駅開業までに変更しておけば、無駄な施設を作らずに済んだと思うのですが、このあたりは英国式なのでしょう。

パリ北駅の話に戻り、イギリスの入国審査を抜けると免税売店などがあります。そういえば、セント・パンクラス駅には免税売店がなかったような… お国柄なのでしょうか。

ここからはガラス越しにユーロスターのホームを見下ろす事ができます。これも見覚えのある光景です。

2 F 待合室のガラス越しに見たユーロスターと TGV
2 F 待合室のガラス越しに見たユーロスターと TGV

待合室にはいくつかカフェがあります。その 1 つでカフェラテを買いました。普通カフェラテはエスプレッソを大量のミルクで割るので、それなりに大きなカップになるはずなのですが、ここのカフェは、エスプレッソ用と同じ大きさなのではと思うほど小さなカップです。最初注文を間違えられたのかと思いましたが、中を見ても、飲んでみても、カフェラテに間違いありません。
釈然としない感じです。

むちゃくちゃ小さいカフェラテ
むちゃくちゃ小さいカフェラテ

発車時間 20 分ちょっと前に搭乗口が開放され、搭乗がはじまりました。階段を下りていくところで、パンタグラフを上から見る事ができます。よく見ると、使用している (上がった状態になっている) もの以外に、くの字が反対向きになったパンタグラフも付いています。TGV の車両も見えたので確認すると、TGV も同じようになっていました。複数電圧対応なので、場所によってパンタグラフそのものを変更するのかも知れません。

ユーロスター Eurostar の 2 組搭載されたパンタグラフ
ユーロスター Eurostar の 2 組搭載されたパンタグラフ

帰りも記念写真を撮りました。往路と違って周囲に他の乗客がいなかったので、警備のおじさんにシャッターを押してもらいました。

復路もユーロスターと記念撮影
復路もユーロスターと記念撮影

復路は一番安い席が売り切れていて、2 番目に安いレジャー・セレクト Leisure Select という席種です。この席は以前はたぶん 2+ と呼ばれていた席です。一番安い席だった往路と違い、車両自体に乗る時に、チケットを確認していました。

復路も定刻よりフライングして発車です。ダイヤを守るというつもりは最初から毛頭ないようです。

この席は、飛行機の機内食のような食事が付いています。乗ると、これまた飛行機と同じように、まず飲み物を配りにきます。ワインなども無料ですが、私はアルコールは飲まないのでコーラにしました。

最初の飲み物はコーラ
最初の飲み物はコーラ

さらに 15 分ほどで車内食のメニューが配られ、ほどなく車内食が配膳されました。

車内食
車内食

この車内食は、見た感じも悪くないと思いますが、味もなかなか良く、量もほどほどで、おいしくいただけました。

往路もそうだったのですが、私は海峡トンネルに入るとなぜかトイレに行きたくようで、往復ともトンネル内でトイレに行きました。トイレはいかにも列車のトイレという感じのものです。

トイレ
トイレ

往路同様カフェで飲み物を買いました。海峡トンネル内を撮影してみましたが、撮影している自分が窓ガラスに映っているのが撮れただけでした…

ユーロトンネル内を撮影しているつもり
ユーロトンネル内を撮影しているつもり

復路の席は、往路よりさらに幅が広くなっています。往路のスタンダードの席は 2 + 2 の 4 列でしたが、この席種の車両は 2 + 1 の 3 列です。シートピッチも少し広いようですが、新幹線の普通車よりは短いです。向きが固定なのも、リクライニングしないのも同じです。設計者は、座席の幅だけ広くすれば快適になると考えているようですが、その考え方はよくわかりません。

復路のクラスの車両は、往路と違って、車両内の何箇所かで座席の向きが変わっていて、向かい合わせの席がいくつかあります。車両内で左右それぞれ 1 箇所の 2 箇所しかなかったスタンダード席車両と違い、向かい合わせの 4 人席が 1 つの車両ないにいくつも (たぶん左右それぞれ 3 つで、合計 6 つ) あります。私の席もそのような向かい合わせの席の 1 つでした。中央にはかなり広いテーブルがついています。向かい側には見知らぬ夫婦と思われる方々がいて、私の横にも、別の知らない人が座りました。

復路の席
復路の席

座席自体の快適さでもそうなのですが、この向かい合わせ 4 人掛けの席に、知らない外人と座らされるというのもかなり厳しい感じでした。私よりもっとかわいそうだったのは、私の席からみて通路をはさんだ反対側の席の 2 人です。2 + 1 列で、我々の側が 4 人掛けということは、通路を挟んだ向かい側は、机を挟んで向かい合わせの 2 人席です。恋人同士が座るにはいい席なのでしょうが、私の乗った列車では、どちらもイカつい感じの、イギリス人っぽい男性同士が座っていました。乗車してきたタイミングも全然違うし、乗っている間中 2 人は会話することは全くなかったので、他人同士なのだと思います。お金を払ってこんな辛い思いをさせられるなんて… なんて不運な人たちなんでしょうと同情を禁じえません。

セント・パンクラス駅にかなり近づいたところで、往路と同じようにしばらく止まってしまいました。往路と同じように「パニックにならないで」という放送がありました。定刻より 10 分ほど送れての到着でした。

セント・パンクラス St Pancras 駅に帰着
セント・パンクラス St Pancras 駅に帰着

次回は、自由の女神編です。

(速報版) 強行・日帰り海外旅行、パリでツール・ド・フランスを見る

今回の約 1 ヶ月の滞在で、早くも最後の週末の日曜と
なった 2008/07/27(日) は、パリまで、日帰り海外旅行
をしてきました。目的はパリのシャンゼリゼでゴールを
迎えるツール・ド・フランス Tour de France を見るた
めです。
# 速報版です。写真、文章とも追加する予定です。
# 2008/07/28(月) 詳細版 1 へのリンク追記
# 2008/07/29(火) 詳細版 2 へのリンク追記
# 2008/07/30(水) 詳細版 3 へのリンク追記
ロンドン・セント・パンクラス St. Pancras 駅から
ユーロスター Eurostar でパリへ行き、自由の女神原型
像を見て、ツール・ド・フランス Tour de France を見
物し、パリ北駅 Gare du Nord から、再びユーロスター
で戻ってくる、現地滞在 5 時間 20 分の海外旅行でし
た。
ユーロスター Eurostar
ユーロスター Eurostar
2008/07/28(月)
別ポストとして詳細版 1 を追記しました。
ユーロスター編
      ↓
強行・日帰り海外旅行、ユーロスターを 1 日で往復乗車
自由の女神原型像
自由の女神原型像
2008/07/29(火)
別ポストとして詳細版 2 を追記しました。
自由の女神編
      ↓
強行・日帰り海外旅行、パリで自由の女神原型像を見る
ツール・ド・フランス
ツール・ド・フランス
2008/07/30(水)
別ポストとして詳細版 3 を追記しました。
ツール・ド・フランス編
      ↓
強行・日帰り海外旅行、ツール・ド・フランス

妻が帰国

今回のイギリス滞在が決まる前から夏休みを計画してい
て、8 月の後半にまとめて休みをとるため、イギリス滞
在期間中に関しては、妻はかなり無理をして休みをとっ
てくれたようです。しかし 1 ヶ月全部は当然無理で、
休めたのは 7 日間でした。土日を入れて 11 日間の休み
で渡英していて、今日はもう帰国する日です。
昨日 2008/07/25(金) の夜に、おおまかな荷造りを終
え、今日 2008/07/26(土) の朝、最後に細かいものを入
れて出発です。
レディング駅まで歩いて行き、そこからは、渡英して来
た時同様、直行バスでヒースロー空港へ行きます。
レディング駅前で記念写真
レディング駅前で記念写真
09:15 レディング発のバスに乗りました。バスはほぼ予
定通りにヒースロー空港に到着しました。
ヒースロー空港に到着したレディングからの直行バス
ヒースロー空港に到着したレディングからの直行バス
バージン・アトランティックのチェックインは、チェッ
クイン自体はキオスクと呼ばれている機械で行い、その
後荷物の預け入れだけカウンターで行うという 2 段階
方式です。この時、パスポートでチェックインする人が
誰か確認するのですが、妻のパスポートは結婚前から
使っているもので、写真のページの名前は旧姓のまま
で、別のページに名前が変更になった事を示すスタンプ
が押されているものです。そのため、チェックインの機
械ではチェックインできないというトラブルがあり、
思ったより時間がかかってしまいました。
時間がかかりつつも無事チェックインして荷物も預け入
れを終え、空港のプレタマンジェ PRET A MANGER でサ
ンドイッチ、スープ、サラダ、コーヒーの朝食を一緒に
食べました。
妻のカプチーノと、私のカフェオレ
妻のカプチーノと、私のカフェオレ
スープ
スープ
サンドイッチ
サンドイッチ
サラダ
サラダ
食べ終わるとけっこういい時間になっていたので、妻は
セキュリティーへ入って行きました。
セキュリティーへ向かう妻
セキュリティーへ向かう妻
自分がレディングへ来てから妻が来るまでの 10 日間
は、あまり寂しいと感じなかったのですが、妻がいなく
なったアパートへ帰ると、今朝までは妻がいたのに、今
はいないという当たり前の事が、なんとも寂しくて、意
外にコタえている自分に驚きました。
1 ヶ月は長いなぁと思っていましたが、あと 1 週間を
残すだけとなりました。私ももうすぐ帰国です。